細菌検査の業務 : 病原菌検査から病院関連感染防止へ

「はじめに」近年, 感染症は古典的な伝染病から高齢者, 各種基礎疾患を有する者, 抵抗力が減少した者に起こる日和見感染症などの宿主側の要因に左右される難治性感染症へと移行し, 大きく変貌して来ている. 病院は多様な病原体が集まりやすく, 薬剤耐性菌が多く生息しており感染症が発生しやすい危険な場所である. この事は病院における様々な感染症のアウトブレイクが常態であるとして, 常に様々なレベルでの監視が必要である事を示している. 当院が開院して間もない昭和50年代は院内感染の概念はあったが感染対策の組織はなく, 細菌検査室の業務は病原菌検索が主なものであった. 現在の細菌検査業務はこの様な従来から...

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Veröffentlicht in:近畿大学医学雑誌 2009-09, Vol.34 (3), p.199-204
Hauptverfasser: 山口逸弘, 上硲俊法
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」近年, 感染症は古典的な伝染病から高齢者, 各種基礎疾患を有する者, 抵抗力が減少した者に起こる日和見感染症などの宿主側の要因に左右される難治性感染症へと移行し, 大きく変貌して来ている. 病院は多様な病原体が集まりやすく, 薬剤耐性菌が多く生息しており感染症が発生しやすい危険な場所である. この事は病院における様々な感染症のアウトブレイクが常態であるとして, 常に様々なレベルでの監視が必要である事を示している. 当院が開院して間もない昭和50年代は院内感染の概念はあったが感染対策の組織はなく, 細菌検査室の業務は病原菌検索が主なものであった. 現在の細菌検査業務はこの様な従来からの業務以外に, 病院環境の細菌調査や患者の監視培養, 病棟内のアウトブレイク監視など院内感染情報集計が加わり, 業務内容が多彩になっている.
ISSN:0385-8367