レトロウイルス感染と宿主因子 : エイズ制圧を目指して

「はじめに」国連合同エイズ計画(UNAIDS)の推計によれば, 2007年末現在全世界に3,300万人のヒト免疫不全症候群ウイルス(HIV)感染者があり, 2007年一年間でおよそ250万人が新たに感染, 210万人が後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症して死亡したとされる. 15歳から49歳までの年齢層におけるHIV陽性率は世界平均でおよそ0.8%であり, 性活動期にある年齢層の120人に一人はHIV感染者となる. 南アフリカ共和国やボツワナでは既に1990年代後半から成人層のHIV陽性率が20~30%で推移しており, 若年で感染して青年期にエイズを発症, 死亡するため, 2020年までに平...

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Veröffentlicht in:近畿大学医学雑誌 2008-09, Vol.33 (3), p.209-238
Hauptverfasser: 宮澤正顯, 河原佐智代, 金成安慶, 武田英里, 坂本真由美, 阿部弘之, 木下さおり, 湯浅貴恵, 梶原栄二, 馬野奈津子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」国連合同エイズ計画(UNAIDS)の推計によれば, 2007年末現在全世界に3,300万人のヒト免疫不全症候群ウイルス(HIV)感染者があり, 2007年一年間でおよそ250万人が新たに感染, 210万人が後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症して死亡したとされる. 15歳から49歳までの年齢層におけるHIV陽性率は世界平均でおよそ0.8%であり, 性活動期にある年齢層の120人に一人はHIV感染者となる. 南アフリカ共和国やボツワナでは既に1990年代後半から成人層のHIV陽性率が20~30%で推移しており, 若年で感染して青年期にエイズを発症, 死亡するため, 2020年までに平均寿命が25年も短縮するだろうと言われている. このことは皮肉にも, 性活動期年齢層の人口減少をもたらし, サハラ以南のアフリカでは今後HIV感染者数の増加は頭打ちになると予想されている.
ISSN:0385-8367