認知症に罹患した妻の介護をする夫介護者が感じている困難

「要旨」本研究は, 在宅で認知症の妻を介護している夫介護者の日常生活で感じている困難を明らかにし, 看護支援の示唆を得ることを目的とした. 認知症の妻を介護する11名の夫介護者に半構成的面接を行い, 質的記述的に分析を行った. 夫介護者は, 妻の認知症状から【日常生活混迷への対応の困惑】を感じていた. また認知症の症状によりできなくなった妻の代わりに行う家事は, 経験の少ないことから【家事の不慣れ感】を感じていた. また異性の介護を行うことで周囲から誤解を受けやすいことや, 認知症の症状による行動障害から世間に迷惑をかけないようにと【近隣の人々への気兼ね】をしつつ生活をしていた. さらには,...

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Veröffentlicht in:家族看護学研究 2015-03, Vol.20 (2), p.117-124
Hauptverfasser: 長澤久美子, 山村江美子, 岩清水伴美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本研究は, 在宅で認知症の妻を介護している夫介護者の日常生活で感じている困難を明らかにし, 看護支援の示唆を得ることを目的とした. 認知症の妻を介護する11名の夫介護者に半構成的面接を行い, 質的記述的に分析を行った. 夫介護者は, 妻の認知症状から【日常生活混迷への対応の困惑】を感じていた. また認知症の症状によりできなくなった妻の代わりに行う家事は, 経験の少ないことから【家事の不慣れ感】を感じていた. また異性の介護を行うことで周囲から誤解を受けやすいことや, 認知症の症状による行動障害から世間に迷惑をかけないようにと【近隣の人々への気兼ね】をしつつ生活をしていた. さらには, 妻が認知症に罹患したことに対する【消えないわだかまり】を抱えていた. 全員が65歳以上の夫であったためか, 体調に関連する【介護者の健康不安による介護継続の気がかり】を持っていた. 今後, 認知症症状の理解や対応方法への支援, 男性特有の困難に対する心理的・身体的・社会的な支援が特に重要であると考えられた.
ISSN:1341-8351