知的障がい児の家族支援プログラムにおける同胞への支援

「要旨」本研究では, 知的障がいをもつ子ども (以下, 障がい児) の同胞に対する支援内容を明らかにし, 支援が同胞の心身に与える影響を検討した. 対象は, 筆者らが障がい児と家族を対象として構築したプログラムに, 1年以上参加し, プログラムでの面接や聴き取り調査で, 母親が同胞について語った4家族であり, 母親との半構成的面接の筆記記録・録音記録, およびプログラムにおける子どもの観察記録を質的帰納的に分析した. 障がい児の同胞への支援は, 同胞に対して行う《安心して遊べる遊び場を保証し, 心身の解放・休息を促す支援》, 《人との関係性・絆を形成する支援》, 《一般的子ども体験をつくる支援...

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Veröffentlicht in:家族看護学研究 2010-02, Vol.15 (3), p.2-10
Hauptverfasser: 大脇万起子, 鈴木育子, 鳥居央子, 飯田恭子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本研究では, 知的障がいをもつ子ども (以下, 障がい児) の同胞に対する支援内容を明らかにし, 支援が同胞の心身に与える影響を検討した. 対象は, 筆者らが障がい児と家族を対象として構築したプログラムに, 1年以上参加し, プログラムでの面接や聴き取り調査で, 母親が同胞について語った4家族であり, 母親との半構成的面接の筆記記録・録音記録, およびプログラムにおける子どもの観察記録を質的帰納的に分析した. 障がい児の同胞への支援は, 同胞に対して行う《安心して遊べる遊び場を保証し, 心身の解放・休息を促す支援》, 《人との関係性・絆を形成する支援》, 《一般的子ども体験をつくる支援》があった. プログラムへの参加時および日常生活場面において, 同胞には, 情緒や自我に関する変化がみられた. 障がい児の同胞は家族力動の歪みを受けやすいため, 情緒が安定し, 自尊心や自信の回復と発達が促進されるように関わり, 自我の障害が解消され, 社会へ適応できるように支援していく必要がある. また, 同胞に適切な支援を提供することは, 母親の子育てへの啓発と負担軽減にも役立つと考えられ, 最終的には家族機能の向上に繋がるものと考えられた. 障がい児を抱える家族のヘルスプロモーションには, 定期的に支援の場を設けることが有効と考えられた.
ISSN:1341-8351