茨城県笠間市における運動サークルの普及事業の評価:PAIREMを用いた検討

我が国では,ボランティアによる運動実践活動(サークル)を普及させる事業が行われてきた。我々は2009 年より茨城県笠間市において,サークル普及を目的とした事業を実施している。こうした事業の評価方法にPAIREMモデルがある。PAIREMとは,事業を6つの局面(計画,採用,実施,到達,効果,継続)から包括的に評価するモデルである。本稿では,笠間市におけるサークル普及に関する事業をPAIREMモデルに基づき報告・評価し,事業の成果および課題を検討する事を目的とする。さらに,本モデルを用いた評価に必要なデータの一例を示す事を目的とする。笠間市における事業の計画,採用,実施,到達,効果,継続を報告・評...

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Veröffentlicht in:運動疫学研究 2023/06/30, Vol.25(1), pp.102-109
Hauptverfasser: 佐藤, 文音, 北濃, 成樹, 藤井, 悠也, 大藏, 倫博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:我が国では,ボランティアによる運動実践活動(サークル)を普及させる事業が行われてきた。我々は2009 年より茨城県笠間市において,サークル普及を目的とした事業を実施している。こうした事業の評価方法にPAIREMモデルがある。PAIREMとは,事業を6つの局面(計画,採用,実施,到達,効果,継続)から包括的に評価するモデルである。本稿では,笠間市におけるサークル普及に関する事業をPAIREMモデルに基づき報告・評価し,事業の成果および課題を検討する事を目的とする。さらに,本モデルを用いた評価に必要なデータの一例を示す事を目的とする。笠間市における事業の計画,採用,実施,到達,効果,継続を報告・評価した。計画では,事業の計画に関する記録が残っておらず,報告できなかった。採用では,市内全域で事業が実施され,5つの組織が事業に関わっていた。実施では,ボランティア養成やその後の支援に関する教育機会が1 年間で48 回提供されていた。到達では,2009 年4 月から2017 年3 月までに32のサークルが設立され,661 名の高齢者がサークルに所属者していた。効果として,サークルへの参加が,ボランティアや他の高齢者の身体機能,認知機能を維持・向上させる事を報告した。継続では,サークル数,サークル所属者数が2021 年まで増加し続けていた。笠間市でのサークル普及事業は,サークル数の増加や女性ボランティアの増加という一定の成果をあげていた。しかし,サークル所属者には男性や虚弱な高齢者が少ない可能性があり,幅広い高齢者が参加できる体制を検討する必要がある。また,事業の人的・経済的コストの推定,介護予防効果の検証を行い,費用対効果を明らかにする必要がある。
ISSN:1347-5827
2434-2017
DOI:10.24804/ree.2206