加速度計による活動量評価と身体活動増進介入への活用

本総説では,加速度計の仕組み,国内の代表的な加速度計の特徴や妥当性を概説するとともに,加速度計を用いた身体活動増進介入研究を紹介し,今後の研究課題を展望することを目的とした。加速度計には計測本体である加速度センサに加え,時計,A/D変換器,プロセッサ,メモリ,電池などが内蔵されている。加速度センサの性能に加え,各機種が採用するデータ処理のアルゴリズムにより,機種間の違いがもたらされている。また,近年では腰部だけでなく手首や足首,大腿前面などに装着する機種も増えている。国内の加速度計については,二重標識水法やダグラスバッグ法などにより自由行動下および実験室にて妥当性が検証されている。今後は,年齢...

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Veröffentlicht in:運動疫学研究 2015/03/31, Vol.17(1), pp.6-18
Hauptverfasser: 笹井, 浩行, 引原, 有輝, 岡﨑, 勘造, 中田, 由夫, 大河原, 一憲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本総説では,加速度計の仕組み,国内の代表的な加速度計の特徴や妥当性を概説するとともに,加速度計を用いた身体活動増進介入研究を紹介し,今後の研究課題を展望することを目的とした。加速度計には計測本体である加速度センサに加え,時計,A/D変換器,プロセッサ,メモリ,電池などが内蔵されている。加速度センサの性能に加え,各機種が採用するデータ処理のアルゴリズムにより,機種間の違いがもたらされている。また,近年では腰部だけでなく手首や足首,大腿前面などに装着する機種も増えている。国内の加速度計については,二重標識水法やダグラスバッグ法などにより自由行動下および実験室にて妥当性が検証されている。今後は,年齢,職種など多様な生活様式を有する対象者にも適用可能な推定式の開発や,より洗練された統計モデルにより姿勢や行動様式を判別する研究が求められる。加速度計を動機づけツールとして活用した質の高い介入研究については,子どもから高齢者まで,年代にかかわらず十分でない。加速度計が一般消費者に普及しつつある現状を鑑みると,加速度計による身体活動増進介入は,新規性かつ意義のある研究分野であるといえる。
ISSN:1347-5827
2434-2017
DOI:10.24804/ree.17.6