大学生の先延ばしに対する認知・行動療法の展望

「要約」 本稿の目的は, 大学生の先延ばし(procrastination)に対する認知・行動療法の展望を行うことであった. まず, 先延ばしの定義や経験率について紹介された. 次に, 先延ばしがパフォーマンスや精神的健康に与える悪影響について紹介された. 続いて, 先延ばし研究で用いられている先延ばしの測定指標について, 自己記入式尺度と行動指標が紹介された. そして, 先延ばしに対し有効性が示されている認知・行動療法, 中でも, 従来の認知・行動療法(CBT)と, 第三世代の認知・行動療法とされるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を適用した先行研究を概観した. 最後...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心理臨床科学 2021-12, Vol.11 (1), p.63-76
Hauptverfasser: 井森萌子, 大屋藍子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」 本稿の目的は, 大学生の先延ばし(procrastination)に対する認知・行動療法の展望を行うことであった. まず, 先延ばしの定義や経験率について紹介された. 次に, 先延ばしがパフォーマンスや精神的健康に与える悪影響について紹介された. 続いて, 先延ばし研究で用いられている先延ばしの測定指標について, 自己記入式尺度と行動指標が紹介された. そして, 先延ばしに対し有効性が示されている認知・行動療法, 中でも, 従来の認知・行動療法(CBT)と, 第三世代の認知・行動療法とされるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を適用した先行研究を概観した. 最後に, 今後の先延ばしに対する認知・行動療法の課題について展望が行われ, 介入のプロセスやメカニズムを検討すること, 介入効果の維持を検討すること, 自己記入式尺度と同時に先延ばしの行動指標とともに効果検証を行うこと, が課題として挙げられた.
ISSN:2186-4934