胆道閉鎖症を疑われた子ども (新生児) の母親が退院するまでの期間に不安に陥った体験のナラティブ分析

生後10日目の児が胆道閉鎖症疑いにより入院したが、入院後その疾患は否定され、児の健康上の問題も解決して退院となった。しかし母親は不安なままであった。本研究では、児が胆道閉鎖症を疑われてから病院を退院するまでの期間において、その疾患を否定されたにもかかわらず母親の不安が継続した体験を明らかにすることを目的とした。母親のインタビューデータを、Emdenのナラティブ分析を用いて分析した結果、三つのテーマが抽出された。入院前、母親は病気に関する情報を収集する中で、 「児の病気の重大性」 を知り、病院を受診した際にガスの貯留や体重減少を指摘されたことから 「ほかの症状の見落とし」 に気付き、さらに、入院...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児看護学会誌 2019, Vol.28, pp.235-239
Hauptverfasser: 植木, 慎悟, 藤田, 優一, 北尾, 美香, 藤原, 千惠子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:生後10日目の児が胆道閉鎖症疑いにより入院したが、入院後その疾患は否定され、児の健康上の問題も解決して退院となった。しかし母親は不安なままであった。本研究では、児が胆道閉鎖症を疑われてから病院を退院するまでの期間において、その疾患を否定されたにもかかわらず母親の不安が継続した体験を明らかにすることを目的とした。母親のインタビューデータを、Emdenのナラティブ分析を用いて分析した結果、三つのテーマが抽出された。入院前、母親は病気に関する情報を収集する中で、 「児の病気の重大性」 を知り、病院を受診した際にガスの貯留や体重減少を指摘されたことから 「ほかの症状の見落とし」 に気付き、さらに、入院中に看護師から受けた説明を 「母親が行ってきたことの否定」 ととらえてしまったことで母親としての自信を失い、不安が継続していた。医療従事者は母親の信念に耳を傾け、母親の自信を損なわないよう慎重な支援や説明が必要である。
ISSN:1344-9923
2423-8457
DOI:10.20625/jschn.28_235