腎動脈狭窄を合併した副腎外褐色細胞腫の一女児例

「要旨」 症例は11歳女児. 典型的な臨床症状を認め, 褐色細胞腫と診断した. 腹部MRI検査, 超音波検査で腫瘍は右腎周囲に位置し, 下大静脈と腎動静脈を著明に圧迫していた. 初診時から持続性の高血圧を認め, 腫瘍からのカテコラミン分泌と腎血管性高血圧の両者が関与していると考えた. 腫瘍と血管との癒着が強く, 剥離に難渋したが全摘出可能で術後に血圧は正常化し, 再発は認めていない. 術前診断の重要性が再認識された. 「I はじめに」 褐色細胞腫はカテコラミンを産生する内分泌腫瘍であり, 高血圧や頭痛, 動悸などの症状を呈することは広く知られている. 今回我々は腫瘍の腎血管圧迫による腎血管性高...

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Veröffentlicht in:小児がん 2011-02, Vol.48 (1), p.23-27
Hauptverfasser: 星野顕宏, 大橋祐介, 曽我恭司, 五味明, 梅田陽
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 症例は11歳女児. 典型的な臨床症状を認め, 褐色細胞腫と診断した. 腹部MRI検査, 超音波検査で腫瘍は右腎周囲に位置し, 下大静脈と腎動静脈を著明に圧迫していた. 初診時から持続性の高血圧を認め, 腫瘍からのカテコラミン分泌と腎血管性高血圧の両者が関与していると考えた. 腫瘍と血管との癒着が強く, 剥離に難渋したが全摘出可能で術後に血圧は正常化し, 再発は認めていない. 術前診断の重要性が再認識された. 「I はじめに」 褐色細胞腫はカテコラミンを産生する内分泌腫瘍であり, 高血圧や頭痛, 動悸などの症状を呈することは広く知られている. 今回我々は腫瘍の腎血管圧迫による腎血管性高血圧の合併も疑われた症例を経験したので報告する. 「II 症例」 症例 : 11歳9か月, 女児. 主訴 : 頭痛, 盗汗, 動悸. 家族歴, 既往歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 入院の4か月前から頭痛, 盗汗, 動悸が出現した. 3.5kgの体重減少も認めたため, 前医を受診した. 高血圧を指摘され, 精査及び加療のため当科を紹介されて入院した.
ISSN:0389-4525