血液・腫瘍性疾患患児における抗真菌薬ミカファンギンの有効性に関する検討

血液疾患または悪性腫瘍に対する化学療法, および造血幹細胞移植により好中球減少状態となった患児に対し, 真菌感染予防あるいはエンピリック治療の目的でミカファンギン (MCFG) を投与し, その臨床効果と安全性について多施設共同研究を実施した.予防投与を行った17例では, MCFG平均3.1mg /kg (2.5~ 45mg/kg) 投与で全例予防効果が確認できた.また, エンピリック治療20例に対しては, MCFG平均3.8mg/kg (2.6~ 6.0mg/kg) 投与で治療成功率は70% (14/20例) であった.下痢や腹痛などの副作用が8件 (19.0%) に発現したが, 投与中止と...

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Veröffentlicht in:日本小児血液学会雑誌 2008/08/31, Vol.22(4), pp.226-232
Hauptverfasser: 小沼, 正栄, 久間木, 悟, 吉成, みやこ, 佐藤, 篤, 照井, 君典, 神尾, 卓哉, 平山, 雅士, 簡野, 美弥子, 川上, 貴子, 望月, 一弘, 伊藤, 正樹, 渡辺, 新, 遠藤, 幹也, 三井, 哲夫, 今泉, 益栄, 菊田, 敦, 伊藤, 悦朗, 土屋, 滋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:血液疾患または悪性腫瘍に対する化学療法, および造血幹細胞移植により好中球減少状態となった患児に対し, 真菌感染予防あるいはエンピリック治療の目的でミカファンギン (MCFG) を投与し, その臨床効果と安全性について多施設共同研究を実施した.予防投与を行った17例では, MCFG平均3.1mg /kg (2.5~ 45mg/kg) 投与で全例予防効果が確認できた.また, エンピリック治療20例に対しては, MCFG平均3.8mg/kg (2.6~ 6.0mg/kg) 投与で治療成功率は70% (14/20例) であった.下痢や腹痛などの副作用が8件 (19.0%) に発現したが, 投与中止となったものはなく, MCFGは小児における, 血液疾患治療後の真菌感染予防薬やエンピリック治療薬として有効かつ安全であることが確認された.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.22.226