乳児自己免疫性溶血性貧血とrituximab治療

乳児の自己免疫性溶血性貧血は通常の治療では難治性であり, 長期にわたる免疫抑制療法が必要なことが多い.しかし, 大量のステロイド投与による有害事象は乳児にとって問題となることが知られているため, 新たな治療法の開発が望まれている.Rituximabは, CD20に対するモノクローナル抗体であり, 自己免疫性疾患に対しての効果が注目されている.しかし, 乳児に対して使用した報告は本邦ではなされていない.われわれの経験した症例は3ヵ月発症の自己免疫性溶血性貧血であり, ステロイドの大量投与が必要であった.ステロイドの長期投与による有害事象を懸念して, rituximabの投与を生後6カ月時に行い,...

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Veröffentlicht in:日本小児血液学会雑誌 2006/08/31, Vol.20(4), pp.224-226
Hauptverfasser: 加藤, 元博, 菊地, 陽, 大嶋, 宏一, 山本, 将平, 望月, 慎史, 新井, 心, 花田, 良二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳児の自己免疫性溶血性貧血は通常の治療では難治性であり, 長期にわたる免疫抑制療法が必要なことが多い.しかし, 大量のステロイド投与による有害事象は乳児にとって問題となることが知られているため, 新たな治療法の開発が望まれている.Rituximabは, CD20に対するモノクローナル抗体であり, 自己免疫性疾患に対しての効果が注目されている.しかし, 乳児に対して使用した報告は本邦ではなされていない.われわれの経験した症例は3ヵ月発症の自己免疫性溶血性貧血であり, ステロイドの大量投与が必要であった.ステロイドの長期投与による有害事象を懸念して, rituximabの投与を生後6カ月時に行い, 劇的な改善が得られた.現在, 治療後1年が経過しているが, 溶血を示す所見はない.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.20.224