健康高齢者を対象とした認知症啓発講座への継続参加を支える要因

抄録 本研究は,2009年度より実施している認知症啓発講座に継続的に参加している健康高齢者を対象とし,講座への継続的参加を支える要因を明らかにすることを目的とした.本講座に1年半以上参加し続けている18人を対象とし,半構成的面接および参加観察による質的記述的分析を行った.その結果,【認知症が他人ごとではない】【自分の世界が広がる体験ができる】【変化する自分に講座の効果を実感する】【人生と向き合うことができる】【講座がよりどころになっている】【主体的に参加できる場がある】【続けたい思いが妨げられるときがある】という7つのカテゴリーが生成された.年々認知症が他人ごとではなくなってきた参加者にとって...

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Veröffentlicht in:日本老年看護学会誌(老年看護学) 2014/03/20, Vol.18(2), pp.105-114
Hauptverfasser: 木谷 尚美, 小泉 由美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:抄録 本研究は,2009年度より実施している認知症啓発講座に継続的に参加している健康高齢者を対象とし,講座への継続的参加を支える要因を明らかにすることを目的とした.本講座に1年半以上参加し続けている18人を対象とし,半構成的面接および参加観察による質的記述的分析を行った.その結果,【認知症が他人ごとではない】【自分の世界が広がる体験ができる】【変化する自分に講座の効果を実感する】【人生と向き合うことができる】【講座がよりどころになっている】【主体的に参加できる場がある】【続けたい思いが妨げられるときがある】という7つのカテゴリーが生成された.年々認知症が他人ごとではなくなってきた参加者にとって,講座は主体的に参加できる場であり,よりどころとなっていた.一方で,講座についていけないときがあるといった続けたい思いが妨げられる要因も挙げられた.今後は高齢者の主体性を尊重しながら,続けたい思いを支えることの必要性が示唆された.
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.18.2_105