整形外科病棟における高齢者の術後せん妄予防看護計画の効果
抄録 整形外科疾患の手術目的で入院した65歳以上の患者を対象に,術後せん妄予防看護計画の効果を探索した.入院時の日本語版ニーチャム混乱・錯乱スケールの点数が,27〜30点は「せん妄低リスク群(以下,低リスク群)」,26点以下は「せん妄高リスク群(以下,高リスク群)」とし,高リスク群に対し,術後せん妄の直接因子・誘発因子に対する術後せん妄予防看護計画を立案し実施した.対象者は83人で平均年齢は77.0±7.4歳,そのうち低リスク群は61人,高リスク群22人であった.術後せん妄の発症は,低リスク群3人(4.9%),高リスク群1人(4.5%)であり,高リスク群と低リスク群の発症率に差はなかった.関連...
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Veröffentlicht in: | 日本老年看護学会誌(老年看護学) 2011/11/30, Vol.16(1), pp.111-118 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 抄録 整形外科疾患の手術目的で入院した65歳以上の患者を対象に,術後せん妄予防看護計画の効果を探索した.入院時の日本語版ニーチャム混乱・錯乱スケールの点数が,27〜30点は「せん妄低リスク群(以下,低リスク群)」,26点以下は「せん妄高リスク群(以下,高リスク群)」とし,高リスク群に対し,術後せん妄の直接因子・誘発因子に対する術後せん妄予防看護計画を立案し実施した.対象者は83人で平均年齢は77.0±7.4歳,そのうち低リスク群は61人,高リスク群22人であった.術後せん妄の発症は,低リスク群3人(4.9%),高リスク群1人(4.5%)であり,高リスク群と低リスク群の発症率に差はなかった.関連因子では低リスク群において認知症がある者の術後せん妄の発症が有意に多かった(p<0.05).高リスク群には危険因子とされる後期高齢者,認知症,大腿骨疾患が低リスク群より有意に多かったが,発症率が低リスク群と同様に低かったこと,術後せん妄の予防看護を実施した先行研究と同様の発症率であったことから,術後せん妄予防看護計画を用いた看護が有効である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1346-9665 2432-0811 |
DOI: | 10.20696/jagn.16.1_111 |