痴呆性高齢者のターミナルケアに関する文献概観

痴呆性高齢者のターミナルケアに関する研究や実践課題を明らかにすることを目的に,国内の文献を収集・検討した.文献数は2000年以降に増加しているが,文献の精選を経て最終的に21文献が検討対象となり,うち原著は8編だった.これらの文献は,「特異な病像をもつ痴呆性高齢者に対するターミナルケア」「各種療法の取り組み」「特定の場におけるターミナルケア」「医療行為等に対する意識と実態」等に分類された. 検討結果からは,①痴呆性高齢者のターミナルケアのプログラム開発が必要であり,そのためには医療行為の効果と侵襲に関する実証的な研究が求められること,②これまでターミナルケアの機能を想定していなかった施設,ター...

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Veröffentlicht in:日本老年看護学会誌(老年看護学) 2005/11/01, Vol.10(1), pp.142-147
Hauptverfasser: 北川 公子, 津田 さとみ, 菅原 峰子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:痴呆性高齢者のターミナルケアに関する研究や実践課題を明らかにすることを目的に,国内の文献を収集・検討した.文献数は2000年以降に増加しているが,文献の精選を経て最終的に21文献が検討対象となり,うち原著は8編だった.これらの文献は,「特異な病像をもつ痴呆性高齢者に対するターミナルケア」「各種療法の取り組み」「特定の場におけるターミナルケア」「医療行為等に対する意識と実態」等に分類された. 検討結果からは,①痴呆性高齢者のターミナルケアのプログラム開発が必要であり,そのためには医療行為の効果と侵襲に関する実証的な研究が求められること,②これまでターミナルケアの機能を想定していなかった施設,ターミナルケア機能を有するが痴呆ケアの蓄積に乏しい施設,この双方から痴呆性高齢者のターミナルケアを志向する徴候がみられ,ケアの場は多様化の方向にあること,③終末期における医療行為等が痴呆性高齢者自身の意思に基づいて展開されるには,告知や事前指示が有効に機能する仕組み作りとともに,ケア従事者の代弁者役割にも着目する必要があること,が示唆された.
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.10.1_142