中等度から重度の痴呆患者が入院環境になじんでいくプロセスに関する研究

本研究は,中等度から重度の痴呆患者が入院後いつからどのような行動をきたすのか,いつ何をきっかけに安定するのか,なじむまでにどのくらいの期間が必要なのかを明らかにすることを目的とした.対象者は女性患者8名で,調査は参加観察法と半構成質開法を用いて行い,得られたデータは質的・帰納的に分析した.その結果,8名中7名はなじんだと判断できたが,1名はなじんだと判断することができなかった.7名に共通したプロセスとして,入院した直後から「入院当日の大混乱と落ち着き」を示し「周囲の探り始めとスタッフへの適応」,「特定の手がかりによる安定化と他患者への接近と意志表出」を示しながら,「他者との相互作用形成」へすす...

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Veröffentlicht in:日本老年看護学会誌(老年看護学) 2005/03/15, Vol.9(2), pp.124-132
Hauptverfasser: 久米 真代, 高山 成子, 丸橋 佐和子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は,中等度から重度の痴呆患者が入院後いつからどのような行動をきたすのか,いつ何をきっかけに安定するのか,なじむまでにどのくらいの期間が必要なのかを明らかにすることを目的とした.対象者は女性患者8名で,調査は参加観察法と半構成質開法を用いて行い,得られたデータは質的・帰納的に分析した.その結果,8名中7名はなじんだと判断できたが,1名はなじんだと判断することができなかった.7名に共通したプロセスとして,入院した直後から「入院当日の大混乱と落ち着き」を示し「周囲の探り始めとスタッフへの適応」,「特定の手がかりによる安定化と他患者への接近と意志表出」を示しながら,「他者との相互作用形成」へすすんでゆくことが明らかとなった.
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.9.2_124