脳血管障害患者における障害によるストレスの認知的評価に関する研究—ADL,認知能力によるストレスの認知的評価とコーピング行動の特徴
本研究では,脳血管障害患者を対象に,障害によるストレスの認知的評価とコーピング行動の特徴について,援助レベルの決定や治療効果の評価として重要な指標であるADLと認知能力による違いを,退院前後の経時的変化から明らかにすることを目的に,質問紙による面接調査を行った.ADLと認知能力により障害度別に類型化された4群には以下の異なる特徴があることが明らかにされた.「軽度障害群」は対処能力が最も高いが,退院後のストレスの変化が最も大きい特徴があった.「認知障害群」は認知能力が低いため現実を認識しにくく,回復への安易な期待を抱きやすく,活動度が低下する傾向があった.「運動障害群」は支援によるADL回復や活...
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Veröffentlicht in: | 日本老年看護学会誌(老年看護学) 2001/11/01, Vol.6(1), pp.40-49 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では,脳血管障害患者を対象に,障害によるストレスの認知的評価とコーピング行動の特徴について,援助レベルの決定や治療効果の評価として重要な指標であるADLと認知能力による違いを,退院前後の経時的変化から明らかにすることを目的に,質問紙による面接調査を行った.ADLと認知能力により障害度別に類型化された4群には以下の異なる特徴があることが明らかにされた.「軽度障害群」は対処能力が最も高いが,退院後のストレスの変化が最も大きい特徴があった.「認知障害群」は認知能力が低いため現実を認識しにくく,回復への安易な期待を抱きやすく,活動度が低下する傾向があった.「運動障害群」は支援によるADL回復や活動度の増加が満足度を高めていたが,内面では回避行動を多くとっており,自発的行動にはつながっていなかった.「重度障害群」はストレスが高く,情緒不安定な状態が長期間持続していたが,一方で,専門職が多くかかわることが,現実に立ち向かう志気を高めることになると示された. |
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ISSN: | 1346-9665 2432-0811 |
DOI: | 10.20696/jagn.6.1_40 |