舌運動様相から見た咀嚼機能の観察 −押しつぶしとチューイング

「I. 目的」咀嚼は, 捕食から食物の粉砕・混和, 食塊形成, さらに咽頭への送り込みを含む過程である. 食品の物理学的性質が異なると, 歯根膜感覚, 咀嚼筋の固有感覚, 口腔粘膜の触覚, 顎関節感覚などが関与し, その食品に適合した咀嚼運動, つまり粉砕作用になったり, 切断作用となったり, それらが複雑に組み合わされたりする. そればかりでなく, 嚥下までの回数および咀嚼時間が異なり, 開口量にも変化が生じ, あるいは筋活動, 咬合力も変化する. このように, 咀嚼に関与する各構成要素は, 食品の物理学的性質の変化に合わせ, それぞれの働きにより咀嚼を円滑に遂行させている. 咀嚼機序の解明...

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2018, Vol.25(1), pp.38-39
Hauptverfasser: 今井, 敦子, 松尾, 信至, 覺道, 昌樹, 佐古, 好正, 田中, 順子, 田中, 昌博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」咀嚼は, 捕食から食物の粉砕・混和, 食塊形成, さらに咽頭への送り込みを含む過程である. 食品の物理学的性質が異なると, 歯根膜感覚, 咀嚼筋の固有感覚, 口腔粘膜の触覚, 顎関節感覚などが関与し, その食品に適合した咀嚼運動, つまり粉砕作用になったり, 切断作用となったり, それらが複雑に組み合わされたりする. そればかりでなく, 嚥下までの回数および咀嚼時間が異なり, 開口量にも変化が生じ, あるいは筋活動, 咬合力も変化する. このように, 咀嚼に関与する各構成要素は, 食品の物理学的性質の変化に合わせ, それぞれの働きにより咀嚼を円滑に遂行させている. 咀嚼機序の解明や機能評価のために食品物理学的性質と咀嚼運動の関連はこれまでも報告されてきた.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.25.38