表情筋の影響を考慮した高精度携帯型筋電計の表面電極貼付部位探索研究

「I. 目的」顎関節症とブラキシズムや歯牙接触癖 (TCH) との関連が指摘されており, これらの悪習癖が顎関節症の発症を誘発すると考えられている. また, 低レベルのクレンチングは咀嚼筋群の疼痛を引き起こすとも考えられており, 注目されている. 一方, 睡眠時ブラキシズムと咀嚼筋の疼痛との関連はないとする報告もあり, 顎関節症とブラキシズムとの因果関係は明らかにされていない. そのため, 昼夜のクレンチングやブラキシズムを計測し, 因果関係を解明しようと国内外で多くの携帯型筋電計が開発されている. われわれは日中に会話や食事等, さまざまな活動に咀嚼筋を使用するため, 日中の咀嚼筋活動を計測する際にはクレンチングやブラキシズム以外による筋活動を排除する必要がある.