頭部の傾斜が咬筋組織血流に及ぼす影響
【目的】頭位と咬筋組織血流の関連性を明らかにすることを目的に,頭部傾斜時における咬筋組織内の血行動態の変動を解析した. 【方法】被験者は,顎口腔系に異常が認められない健常者16名とした.咬筋組織血流の測定には3波長型近赤外分光血流計,頭部の傾斜角度の測定には頭部傾斜角測定装置を用いた.頭部の傾斜は前傾および側方傾斜とし,それぞれ10°,20°,30°傾けたときの咬筋組織内総ヘモグロビン量(Hb)と酸素飽和度(StO2)を測定した.また,最大咬みしめ前後の咬筋組織血流の測定を行い,頭部傾斜時の変動と比較した. 【結果】前傾,側方傾斜時におけるHb変化率は,傾斜角度が大きくなるに従い増加する傾...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本顎口腔機能学会雑誌 2013, Vol.20(1), pp.33-39 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【目的】頭位と咬筋組織血流の関連性を明らかにすることを目的に,頭部傾斜時における咬筋組織内の血行動態の変動を解析した. 【方法】被験者は,顎口腔系に異常が認められない健常者16名とした.咬筋組織血流の測定には3波長型近赤外分光血流計,頭部の傾斜角度の測定には頭部傾斜角測定装置を用いた.頭部の傾斜は前傾および側方傾斜とし,それぞれ10°,20°,30°傾けたときの咬筋組織内総ヘモグロビン量(Hb)と酸素飽和度(StO2)を測定した.また,最大咬みしめ前後の咬筋組織血流の測定を行い,頭部傾斜時の変動と比較した. 【結果】前傾,側方傾斜時におけるHb変化率は,傾斜角度が大きくなるに従い増加する傾向を示し,傾斜角度が30°では咬みしめ終了後の最大変化率の約半分の値を示した.前傾時におけるStO2変化率は,安静時と30°傾斜時の間に有意な増加がみられ,咬みしめ終了後の最大変化率の4割程度の値を示した.側方傾斜時のStO2では有意な変化は認めなかった. 【結論】頭部の傾斜により咬筋組織血流が変化することが明らかになり,血流測定時には被験者の頭位を一定に保つなど頭位の条件への配慮の必要性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 1340-9085 1883-986X |
DOI: | 10.7144/sgf.20.33 |