三叉神経運動ニューロン樹状突起における情報処理機構

「I. 目的」最終的な運動指令を顎筋に伝える三叉神経運動ニューロンは, 非常に大きな細胞の一つで, シナプス入力を受容する部位である樹状突起が極めてよく発達しており, そこでプレモーターニューロンからの豊富な運動指令を受ける. 樹状突起遠位部にシナプス後電位が生じた場合, シナプス後電位を受動的に細胞体に伝えるだけでは細胞体まで伝導する間に振幅が著しく減弱する. しかし実際には樹状突起に存在する電位依存性イオンチャネルがシナプス後電位を増幅し, 樹状突起でも複雑な情報処理を行えるようにしていると考えられるようになってきた. しかし, 多くの樹状突起は複雑に分岐し電気的に一様な構造でないため,...

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2013, Vol.19(2), pp.198-199
Hauptverfasser: 中村, 史朗, 望月, 文子, 中山, 希世美, 井上, 富雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」最終的な運動指令を顎筋に伝える三叉神経運動ニューロンは, 非常に大きな細胞の一つで, シナプス入力を受容する部位である樹状突起が極めてよく発達しており, そこでプレモーターニューロンからの豊富な運動指令を受ける. 樹状突起遠位部にシナプス後電位が生じた場合, シナプス後電位を受動的に細胞体に伝えるだけでは細胞体まで伝導する間に振幅が著しく減弱する. しかし実際には樹状突起に存在する電位依存性イオンチャネルがシナプス後電位を増幅し, 樹状突起でも複雑な情報処理を行えるようにしていると考えられるようになってきた. しかし, 多くの樹状突起は複雑に分岐し電気的に一様な構造でないため, 樹状突起でどのような情報処理が行われているのか, またそれぞれの樹状突起部位での情報処理にはどのような機構が関与するのかを解析することは従来の電気生理学的手法では非常に困難であった.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.19.198