聴覚刺激が味覚機能に及ぼす影響 -甘味と塩味について

「I. 目的」味覚は味物質が味細胞の受容体に結合して生じる味蕾味覚だけでなく, 嗅覚, 温度感覚, 視覚, 触覚, 痛覚および聴覚の感覚入力も含めた総合的な情報として処理される. すなわち, 味覚機能は聴覚を刺激することにより影響を受ける可能性があると考えられる. Oohashiらは20,000Hz以上の高周波を含む音楽を聴かせることにより, 視床や脳幹での血流が有意に上昇したと報告している. また, 超音波デンタルスケーラーおよびデンタルタービンの音刺激により, 歯科治療で不愉快な経験を有する者で脳血流量が有意に低下したなど, 純音ないし音楽が生体に及ぼす影響に関しては多くの報告がみられる....

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2013, Vol.19(2), pp.172-173
Hauptverfasser: 草野, 寿之, 奥津, 史子, 松川, 高明, 豊田, 有美子, 根来, 理沙, 頼近, 繁, 濵坂, 弘毅, 眞木, 信太郎, 遠藤, 舞, 松井, 藍有美, 大川, 周治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」味覚は味物質が味細胞の受容体に結合して生じる味蕾味覚だけでなく, 嗅覚, 温度感覚, 視覚, 触覚, 痛覚および聴覚の感覚入力も含めた総合的な情報として処理される. すなわち, 味覚機能は聴覚を刺激することにより影響を受ける可能性があると考えられる. Oohashiらは20,000Hz以上の高周波を含む音楽を聴かせることにより, 視床や脳幹での血流が有意に上昇したと報告している. また, 超音波デンタルスケーラーおよびデンタルタービンの音刺激により, 歯科治療で不愉快な経験を有する者で脳血流量が有意に低下したなど, 純音ないし音楽が生体に及ぼす影響に関しては多くの報告がみられる. しかし, 純音ないし音楽が味覚機能に及ぼす影響に関しては不明な点が多く残されている. 本研究の目的は, 純音ないし音楽による聴覚刺激が味覚機能, 特に甘味と塩味に対する味覚の感受性に及ぼす影響を明らかにすることである.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.19.172