習慣性咀嚼側が咀嚼機能に及ぼす影響
本研究は,習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間の機能的差異の有無を検証して,習慣性咀嚼側が咀嚼機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.被験者には,第7回顎口腔機能セミナーに参加した健常成人10名(26~33歳,平均28.7歳)を選択した.咀嚼運動の分析は,習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側の間で,ガム咀嚼時の運動経路と運動リズムの安定性,運動経路のパターンについての比較を行った.咀嚼能力の分析は,グミゼリー咀嚼時のグルコース溶出量についての比較を行った.その結果,1.運動経路,運動リズム,運動経路と運動リズムの安定性を表す3つの統合指標は,10名中6名において習慣性咀嚼側咀嚼時のほうが小...
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Veröffentlicht in: | 日本顎口腔機能学会雑誌 2012, Vol.18(2), pp.152-160 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究は,習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間の機能的差異の有無を検証して,習慣性咀嚼側が咀嚼機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.被験者には,第7回顎口腔機能セミナーに参加した健常成人10名(26~33歳,平均28.7歳)を選択した.咀嚼運動の分析は,習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側の間で,ガム咀嚼時の運動経路と運動リズムの安定性,運動経路のパターンについての比較を行った.咀嚼能力の分析は,グミゼリー咀嚼時のグルコース溶出量についての比較を行った.その結果,1.運動経路,運動リズム,運動経路と運動リズムの安定性を表す3つの統合指標は,10名中6名において習慣性咀嚼側咀嚼時のほうが小さかった.2.グルコースの溶出量は,習慣性咀嚼側咀嚼時のほうが大きな値を示し,咀嚼側間に有意差が認められた.3.習慣性咀嚼側咀嚼時における運動経路のパターンの発現は,パターンIとパターンIIIが10名中8名であった.4.発現を認めた各パターンの数値化による比較では,10名中5名は習慣性咀嚼側咀嚼時の点数のほうが大きく,3名は習慣性咀嚼側咀嚼時と非習慣性咀嚼側咀嚼時の点数が同じであった. 以上のことから,習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側には機能的差異が認められ,習慣性咀嚼側のほうが良好な咀嚼機能を営むことが示唆された.また,咀嚼機能の定量的評価には,咀嚼能力の計測,咀嚼運動経路のパターン分析,咀嚼運動の安定性の分析(統合指標)が有用である可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1340-9085 1883-986X |
DOI: | 10.7144/sgf.18.152 |