1 口腔機能を評価する新たな視点

口腔機能, なかでも摂食機能の維持回復は歯科口腔保健の重要な目標である. 食物を口腔に摂取して食塊へと加工し, 食道以遠の消化管へと安全に移送するこの営みは, 栄養摂取の手段としてヒトの生を支えるのみならず, 生の喜びとも関わりが深い. 生涯に亘って高いQoLを維持するうえで摂食機能の維持はほとんど必須の要件である. 著者らは摂食機能の一部をなす咀嚼機能の評価に消化吸収の速度計測を応用することを試みた. 多くの食品は消化吸収に細分や構造の破壊が必要である. 口腔における咀嚼は, 胃における化学的, 機械的消化とともに食物の構造破壊に寄与するから, 咀嚼機能の低下は胃の相補的機能の負担を増し,...

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2011-10, Vol.18 (1), p.44-45
Hauptverfasser: 服部佳功, 佐藤智昭, 小嶺祐子, 田中恭恵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔機能, なかでも摂食機能の維持回復は歯科口腔保健の重要な目標である. 食物を口腔に摂取して食塊へと加工し, 食道以遠の消化管へと安全に移送するこの営みは, 栄養摂取の手段としてヒトの生を支えるのみならず, 生の喜びとも関わりが深い. 生涯に亘って高いQoLを維持するうえで摂食機能の維持はほとんど必須の要件である. 著者らは摂食機能の一部をなす咀嚼機能の評価に消化吸収の速度計測を応用することを試みた. 多くの食品は消化吸収に細分や構造の破壊が必要である. 口腔における咀嚼は, 胃における化学的, 機械的消化とともに食物の構造破壊に寄与するから, 咀嚼機能の低下は胃の相補的機能の負担を増し, 食物の滞胃時間を増すと推察したのである.
ISSN:1340-9085