加速度計を用いた頭位測定装置による歯科治療とデスクワークの頭部姿勢の比較

日常的に歯科治療を続けている歯科医師は,頸部・腰部に負担をかけているのではないかと思われているが,どのような動作をしているのか詳細に確認されていない.そこで,我々は歯科治療時の歯科医師の頭位姿勢を測定,分析することを目的としてブルートゥースを用いたリモート加速度計を開発した.  被験者は歯科医師である5名を対象とし,歯科治療とデスクワーク時の頭部姿勢を測定して比較した.加速度計は耳に装着して使用し,基準面はフランクフルト平面に合わせた.  分析は傾斜角度の積算時間分布を求めたグラフを用いた.全被験者の平均傾斜角度,標準偏差,ピーク値を平均すると,歯科治療時における頭位の前後運動の平均傾斜角度が...

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2009/10/31, Vol.16(1), pp.15-21
Hauptverfasser: 金子, 敦郎, 小林, 博, 山田, 好秋, 野村, 修一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日常的に歯科治療を続けている歯科医師は,頸部・腰部に負担をかけているのではないかと思われているが,どのような動作をしているのか詳細に確認されていない.そこで,我々は歯科治療時の歯科医師の頭位姿勢を測定,分析することを目的としてブルートゥースを用いたリモート加速度計を開発した.  被験者は歯科医師である5名を対象とし,歯科治療とデスクワーク時の頭部姿勢を測定して比較した.加速度計は耳に装着して使用し,基準面はフランクフルト平面に合わせた.  分析は傾斜角度の積算時間分布を求めたグラフを用いた.全被験者の平均傾斜角度,標準偏差,ピーク値を平均すると,歯科治療時における頭位の前後運動の平均傾斜角度がデスクワーク時に比べ有意に大きかった.これにより,デスクワークに比べ歯科治療時はより頭位を傾斜していることが示された.また,前後方向の標準偏差は歯科治療が16.7°,デスクワークが8.6°.左右方向の標準偏差は歯科治療が14.7°,デスクワークが5.6°という結果を得た.これにより,歯科治療時の頭位は広範囲の角度に傾斜していたことが分かった.  これらのことから,前方方向を主とした頭位の傾斜を繰り返す歯科治療時の特徴が確認された.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.16.15