1 咬筋組織血流に対する理学療法の効果

「I. 緒言」顎関節症患者における筋症状の発現機序の一つとして, 組織血流量の低下に伴う筋組織内エネルギーレベル低下の関与が推察される. そのため, 何らかの方法で筋組織内血流状態を改善できれば顎関節症の筋症状に対して有効であると考えられる. しかし, 理学療法やスプリント療法など, 現在顎関節症の筋症状に用いられている療法が実際に咀嚼筋組織血流状態, さらにはエネルギーレベルを改善する効果を有するかについて科学的かつ客観的に評価した研究はなかった. 演者は, 理学療法の中で比較的用いられることが多い温罨法が咬筋組織の血流とエネルギー代謝に及ぼす影響を明らかにし, その効果発現のメカニズムを検...

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2008-02, Vol.14 (2), p.98-99
1. Verfasser: 岡田和樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」顎関節症患者における筋症状の発現機序の一つとして, 組織血流量の低下に伴う筋組織内エネルギーレベル低下の関与が推察される. そのため, 何らかの方法で筋組織内血流状態を改善できれば顎関節症の筋症状に対して有効であると考えられる. しかし, 理学療法やスプリント療法など, 現在顎関節症の筋症状に用いられている療法が実際に咀嚼筋組織血流状態, さらにはエネルギーレベルを改善する効果を有するかについて科学的かつ客観的に評価した研究はなかった. 演者は, 理学療法の中で比較的用いられることが多い温罨法が咬筋組織の血流とエネルギー代謝に及ぼす影響を明らかにし, その効果発現のメカニズムを検討することを目的として, 温罨法前後の咬筋組織血流量, および31p-Magnetic Resonance Spectroscopy (MRS) を用いた咬筋エネルギー代謝の変動を解析した, その結果, 温罨法により咬筋組織において総ヘモグロビン量および酸素飽和度が増加すること, また, 総ヘモグロビン量の増加は主にオキシヘモグロビン量の増加によることを明らかにした.
ISSN:1340-9085