左外踝に発生した high-grade myxofibrosarcoma の 1 例

背景:粘液線維肉腫(MFS)は中高年四肢に好発する代表的な粘液性肉腫の一つであるが,細胞診断での鑑別に苦慮する.今回,high-grade MFS の 1 例を経験したので,その細胞像を中心に文献的考察を加え報告する.症例:70 歳代,女性.約 19 年前から左外踝の腫瘍を触知するも放置.徐々に増大し,約 13 年経過後,腫瘍周囲長約 30 cm にて当院を受診した.生検診断のため他院に紹介,生検にて low-grade MFS と診断された.その後転移は認めず当院で経過観察されたが,腫瘍が多発・増大し,皮膚を穿破・自壊したため初診より約 6 年後,左膝上大腿切断術が施行された.その際作製した...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2024, Vol.63(4), pp.177-184
Hauptverfasser: 三輪, 詩佳, 足立, 実由, 清水, 匠, 岩熊, 隆太朗, 中原, 佳佑, 黒田, 美帆, 岸上, 明美, 安井, 幸代, 鳥居, 良貴, 鷹巣, 晃昌
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:粘液線維肉腫(MFS)は中高年四肢に好発する代表的な粘液性肉腫の一つであるが,細胞診断での鑑別に苦慮する.今回,high-grade MFS の 1 例を経験したので,その細胞像を中心に文献的考察を加え報告する.症例:70 歳代,女性.約 19 年前から左外踝の腫瘍を触知するも放置.徐々に増大し,約 13 年経過後,腫瘍周囲長約 30 cm にて当院を受診した.生検診断のため他院に紹介,生検にて low-grade MFS と診断された.その後転移は認めず当院で経過観察されたが,腫瘍が多発・増大し,皮膚を穿破・自壊したため初診より約 6 年後,左膝上大腿切断術が施行された.その際作製した捺印細胞診では,粘液基質を背景に,異型紡錘形細胞に混在して多核巨細胞,濃染した異型核を有する多彩な細胞や多数の核分裂像を散見し,ごく一部では曲線状の毛細血管を認めた.以上の所見より粘液性高度悪性腫瘍と診断した.結論:細胞像に明確な特徴をもたない MFS の鑑別は苦慮することが多い.他の疾患との鑑別には,詳細な細胞像や構造物の観察だけでなく,年齢,臨床経過,画像所見などを含めた総合的な診断により MFS の可能性を考慮することが重要である.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.63.177