腺扁平上皮癌 (いわゆるすりガラス細胞癌) と小細胞癌が共存した子宮頸癌の1例
「背景」 : 子宮頸部腺扁平上皮癌と小細胞癌はまれな腫瘍である. 今回, 腺扁平上皮癌いわゆる "すりガラス細胞癌" と小細胞癌が共存した子宮頸癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 : 30歳代, 女性. 不正出血を主訴に, 直接塗抹法による頸部細胞診を施行. 小型で裸核様, 細顆粒状クロマチンを有する異型細胞と大型核で核小体明瞭な異型細胞がシート状配列で出現. 小細胞癌疑い, 腺癌の共存も否定できないと診断した. 生検では神経内分泌分化を伴った浸潤癌と診断された. 臨床進行期IB2期 子宮頸癌の診断となり, 広汎子宮全摘出術を施行. 小細胞癌成分を伴ったすりガラス細...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2024-01, Vol.63 (1), p.7-12 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「背景」 : 子宮頸部腺扁平上皮癌と小細胞癌はまれな腫瘍である. 今回, 腺扁平上皮癌いわゆる "すりガラス細胞癌" と小細胞癌が共存した子宮頸癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 : 30歳代, 女性. 不正出血を主訴に, 直接塗抹法による頸部細胞診を施行. 小型で裸核様, 細顆粒状クロマチンを有する異型細胞と大型核で核小体明瞭な異型細胞がシート状配列で出現. 小細胞癌疑い, 腺癌の共存も否定できないと診断した. 生検では神経内分泌分化を伴った浸潤癌と診断された. 臨床進行期IB2期 子宮頸癌の診断となり, 広汎子宮全摘出術を施行. 小細胞癌成分を伴ったすりガラス細胞癌の診断であった. 骨盤内リンパ節に転移は認めず, pT1b1N0M0と診断された. 術後化学療法を施行し, 術後6年が経過した現在, 再発・転移は認めていない. 「結論」 : すりガラス細胞癌はまれな腫瘍であるが, 遭遇する機会があることを認識し, 鏡検の際, 扁平上皮癌と腺癌のどちらとも診断しえない細胞像に遭遇したときには, すりガラス細胞癌の可能性も考慮する必要がある. また子宮頸部小細胞癌は, 複数の組織型と共存することが比較的多いことを念頭に置いて診断することが重要であると考えられた. |
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ISSN: | 0387-1193 |