EUS-FNAにおけるROSEで推定したアミロイド沈着を伴う膵神経内分泌腫瘍 (インスリノーマ) の1例

背景:膵腫瘍に対するEUS-FNA時のROSEで, アミロイド沈着を伴うPanNETを迅速CytoRich(TM)(CR)法にて推定したので報告する. 症例:60歳代, 女性. 検診時の腹部エコー検査で膵管拡張を指摘され, EUS-FNAによるROSEが施行された. 迅速CR法では, ライトグリーン好染性の無構造物, 小型裸核状腫瘍細胞, 紡錘形の血管内皮細胞が付着する分岐・錯綜する裸血管が観察されアミロイド沈着を伴うPanNETと判定した. セルブロックで沈着物はコンゴ赤染色で朱橙色を, 偏光顕微鏡下で黄緑色調の屈折光を呈しアミロイドと判断した. 免疫組織化学染色で腫瘍細胞はINSM-1,...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2023-01, Vol.62 (1), p.44-49
Hauptverfasser: 梅澤敬, 館川夏那, 山本容子, 林榮一, 山村信一, 瀬戸口知里, 熊谷二朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:膵腫瘍に対するEUS-FNA時のROSEで, アミロイド沈着を伴うPanNETを迅速CytoRich(TM)(CR)法にて推定したので報告する. 症例:60歳代, 女性. 検診時の腹部エコー検査で膵管拡張を指摘され, EUS-FNAによるROSEが施行された. 迅速CR法では, ライトグリーン好染性の無構造物, 小型裸核状腫瘍細胞, 紡錘形の血管内皮細胞が付着する分岐・錯綜する裸血管が観察されアミロイド沈着を伴うPanNETと判定した. セルブロックで沈着物はコンゴ赤染色で朱橙色を, 偏光顕微鏡下で黄緑色調の屈折光を呈しアミロイドと判断した. 免疫組織化学染色で腫瘍細胞はINSM-1, Chromogranin-A, Synaptophysin, CD56, Insulinが陽性, Ki-67 indexは1%以下でアミロイド沈着を伴うPanNET G1(インスリノーマ)と診断した. 結論:膵腫瘍に対するEUS-FNAで裸核状小型腫瘍細胞と分岐・錯綜する裸血管を含む無構造物は, アミロイド沈着を伴うPanNET G1(インスリノーマ)の重要な細胞診所見であると考えられた.
ISSN:0387-1193