甲状腺 MALT リンパ腫の細胞診判定基準
目的:甲状腺 MALT リンパ腫の細胞診断に有用な判定基準を設定し,正診率の向上と観察者間変動の減少を図る.方法:MALT リンパ腫 23 例と慢性甲状腺炎 22 例の計 45 例を対象とした.最終的に両疾患の鑑別に有用な 7 所見を選定,その定義を明確化し,数値化可能な所見には cutoff 値を設定した.成績:MALT リンパ腫には山脈状集塊,lymphoglandular bodies,核線,核形不整+腫大核小体,核径増大,慢性甲状腺炎には濾胞上皮細胞集塊,線維組織片の出現頻度が高かった.前 5 所見をスコアー(+1),後 2 所見を(−1)とすると,MALT リンパ腫 23 例の平均合...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2023, Vol.62(1), pp.25-31 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:甲状腺 MALT リンパ腫の細胞診断に有用な判定基準を設定し,正診率の向上と観察者間変動の減少を図る.方法:MALT リンパ腫 23 例と慢性甲状腺炎 22 例の計 45 例を対象とした.最終的に両疾患の鑑別に有用な 7 所見を選定,その定義を明確化し,数値化可能な所見には cutoff 値を設定した.成績:MALT リンパ腫には山脈状集塊,lymphoglandular bodies,核線,核形不整+腫大核小体,核径増大,慢性甲状腺炎には濾胞上皮細胞集塊,線維組織片の出現頻度が高かった.前 5 所見をスコアー(+1),後 2 所見を(−1)とすると,MALT リンパ腫 23 例の平均合計スコアーは(+2.7),慢性甲状腺炎 22 例は(−0.8)であった.合計スコアーが 2 以上を MALT リンパ腫,0 以下を慢性甲状腺炎とすると,この判定基準で 39/45 例が正診できた.また,経験年数の異なる細胞検査士 3 名によるスコアー化前後の判定でも,意義不明の症例が減少し,正診率が増加した.結論:MALT リンパ腫の細胞診断には,上記 7 所見に着目することが重要である.判定基準の設定が正診率の向上と観察者間変動の減少につながった. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.62.25 |