異型腺細胞 (AGC) の取り扱い: 高度病変の潜在性 (第 2 報)
目的 : 異型腺細胞 (AGC) は, 上皮内腺癌 (AIS) や浸潤腺癌の可能性を視野に入れた区分であるが, 判定基準が曖昧で臨床的取り扱いが難しい場合がある. 当院の AGC 症例の検討から高度病変の潜在性について検討した.方法 : 2009~2019 年の 11 年間に AGC で紹介された 66 例 (平均年齢 44.2 歳) を対象とした. 細胞診と組織診の結果やその後の経過を後方視的に検討した.成績 : 66 例中, 細胞診再検で AGC の判定は 27 例, AIS 3 例, HSIL 8 例, AGC+HSIL 11 例, ASC-H 以上の判定は 52 例 (79%) であっ...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2021, Vol.60(6), pp.311-316 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 : 異型腺細胞 (AGC) は, 上皮内腺癌 (AIS) や浸潤腺癌の可能性を視野に入れた区分であるが, 判定基準が曖昧で臨床的取り扱いが難しい場合がある. 当院の AGC 症例の検討から高度病変の潜在性について検討した.方法 : 2009~2019 年の 11 年間に AGC で紹介された 66 例 (平均年齢 44.2 歳) を対象とした. 細胞診と組織診の結果やその後の経過を後方視的に検討した.成績 : 66 例中, 細胞診再検で AGC の判定は 27 例, AIS 3 例, HSIL 8 例, AGC+HSIL 11 例, ASC-H 以上の判定は 52 例 (79%) であった. コルポスコープ下生検では CIN2 や AIS 以上の高度病変は 30 例 (45%) にみられたが, 細胞診より有意に低率であった. 円錐切除は 40 例に行い, 高度病変は 36 例 (90%) であった. 細胞診が ASC-H 以上であった 52 例中, 生検が陰性または生検の 17 例のうち 10 例に円錐切除施行し, 腺癌 1 例, AIS 3 例, CIN3 4 例の計 8 例に高度病変が存在した. 扁平上皮病変と腺系病変の併存は 7 例 (17.5%) にみられた. ヒト乳頭腫ウイルス (HPV) 検査は 27 例に行い 13 例が陽性でうち 9 例が高度病変であった.結論 : AGC 例では, 生検では腺系異常組織の検出が困難な場合が多く, CIN2 や AIS 以上の高度病変が潜在する割合が 66 例中 37 例 (56.1%) であった. HPV 陽性率は低いが陽性であれば, より積極的に円錐切除を考慮すべきと考えられた. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.60.311 |