甲状腺細胞診における穿刺法・塗抹法のコツ

穿刺吸引細胞診は簡便, 正確, 迅速で, 経済的な診断法であり, 甲状腺結節の診断に広く用いられている. しかし, その高い診断精度を得るためには, 穿刺医は十分にトレーニングを受け, 豊富な経験を積んでいる必要がある. 穿刺法や塗抹法に関して今までに記載されてきた内容は画一的で, 実際の現場では臓器, 病変, 穿刺物の性状や量により適宜最適な方法で臨機応変に行わなければならないため十分とはいえない. 穿刺法や塗抹法の向上には, 豊富な経験と知識, そして, 細胞診標本の観察から得られた情報のフィードバックによる穿刺技術の反省が必須である. 筆者は年間 3000 結節の甲状腺穿刺吸引を行ってい...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2021, Vol.60(3), pp.157-163
1. Verfasser: 廣川, 満良
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:穿刺吸引細胞診は簡便, 正確, 迅速で, 経済的な診断法であり, 甲状腺結節の診断に広く用いられている. しかし, その高い診断精度を得るためには, 穿刺医は十分にトレーニングを受け, 豊富な経験を積んでいる必要がある. 穿刺法や塗抹法に関して今までに記載されてきた内容は画一的で, 実際の現場では臓器, 病変, 穿刺物の性状や量により適宜最適な方法で臨機応変に行わなければならないため十分とはいえない. 穿刺法や塗抹法の向上には, 豊富な経験と知識, そして, 細胞診標本の観察から得られた情報のフィードバックによる穿刺技術の反省が必須である. 筆者は年間 3000 結節の甲状腺穿刺吸引を行っている細胞診専門医であり, その経験をもとに確立した穿刺法と塗抹法の集大成がこの論文に記載されている. この総説が少しでも多くの細胞専門医がみずから穿刺するきっかけになれば幸いである.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.60.157