剖検時腹水細胞診が確定診断の一助となった adult granulosa cell tumor の 1 例
背景 : Adult granulosa cell tumor (AGCT) は, 全卵巣腫瘍の約 1%を占める低悪性度性索間質性腫瘍で, 長期経過後の再発がよく知られている. 今回, 既往不明で組織診断に苦慮した 17 年後の AGCT 再発症例で, 剖検時の細胞学的所見が確定診断の一助となった 1 例を報告する. 症例 : 75 歳, 女性. 17 年前に子宮頸部上皮内癌で腹式子宮全摘出術+両側付属器摘出術を施行. 今回, 腹部膨満感を主訴に受診し, 腹腔内播種病変の組織診断で悪性とされたが, 約 10 ヵ月間由来が特定できず, 外部コンサルテーションを契機に, 17 年前の卵巣 AGCT...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2020, Vol.59(3), pp.141-146 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景 : Adult granulosa cell tumor (AGCT) は, 全卵巣腫瘍の約 1%を占める低悪性度性索間質性腫瘍で, 長期経過後の再発がよく知られている. 今回, 既往不明で組織診断に苦慮した 17 年後の AGCT 再発症例で, 剖検時の細胞学的所見が確定診断の一助となった 1 例を報告する. 症例 : 75 歳, 女性. 17 年前に子宮頸部上皮内癌で腹式子宮全摘出術+両側付属器摘出術を施行. 今回, 腹部膨満感を主訴に受診し, 腹腔内播種病変の組織診断で悪性とされたが, 約 10 ヵ月間由来が特定できず, 外部コンサルテーションを契機に, 17 年前の卵巣 AGCT の既往が判明した. 臨床的に AGCT として治療されたが, 11 ヵ月後に死亡し, 剖検が行われた. 剖検時の腹水細胞診と捺印細胞診では均一な裸核状の類円形細胞が多数みられ, nuclear grooves が明瞭に観察された. 腫瘍結節の遺伝子解析の結果も考慮して AGCT と確定診断された. 結論 : 本例は, AGCT の長期経過後の再発が既往不明な状態で発見され, 組織診断に苦慮したが, 剖検時の細胞所見は比較的典型的なものがみられ, 確定診断の一助となった. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.59.141 |