TP63 の再構成を認めた ALK 陰性未分化大細胞型リンパ腫における細胞診断学的検討
背景 : ALCL は CD30 陽性の大型リンパ球からなる T 細胞リンパ腫の一亜型である. ALK 陽性型と陰性型に分けられる. 近年, ALK 陰性 ALCL の 8%の症例に TP63 の再構成を認めるとされている. 症例 : 67 歳, 男性. 胸部異常陰影を指摘され, 右頸部リンパ節生検を施行し, ALK 陰性 ALCL と診断された. 骨髄, 気管支, 脳脊髄液に浸潤を認め, 診断から半年後に死亡した. リンパ節捺印標本・組織標本において, 成熟リンパ球を背景に大型腫瘍細胞の増殖を認め, common pattern を呈していた. 腎形・馬蹄形核を有する hallmark ce...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2019, Vol.58(5), pp.214-219 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景 : ALCL は CD30 陽性の大型リンパ球からなる T 細胞リンパ腫の一亜型である. ALK 陽性型と陰性型に分けられる. 近年, ALK 陰性 ALCL の 8%の症例に TP63 の再構成を認めるとされている. 症例 : 67 歳, 男性. 胸部異常陰影を指摘され, 右頸部リンパ節生検を施行し, ALK 陰性 ALCL と診断された. 骨髄, 気管支, 脳脊髄液に浸潤を認め, 診断から半年後に死亡した. リンパ節捺印標本・組織標本において, 成熟リンパ球を背景に大型腫瘍細胞の増殖を認め, common pattern を呈していた. 腎形・馬蹄形核を有する hallmark cell や, 花弁状核を有する大型細胞が介在していた. 腫瘍細胞の相互接着性を示す部分や, 分裂像も多数認められた. 免疫組織化学では, CD2, CD4, CD30, 細胞傷害性分子が陽性で, p63 の発現を認め, ALK は陰性を示した. FISH 法とシークエンスにより, TP63 の再構成, TBL1XR1/TP63 の融合転写産物が証明された. 結論 : TP63 の再構成を伴う ALK 陰性 ALCL は非常にまれで予後不良である. 亜型診断には, 免疫組織化学染色と FISH 法を併用することが必要である. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.58.214 |