分葉状頸管腺過形成 (lobular endocervical glandular hyperplasia : LEGH) と細胞診

LEGHは胃型形質を有する良性の頸管腺過形成であり, ハイリスクHPV非依存性の胃型粘液性癌, MDAの前駆病変の候補と考えられている. したがってLEGHは見落としてはならない子宮頸部腺系病変である. LEGHの腺細胞が産生する胃型粘液は正常の頸管腺粘液とは生化学的, 免疫組織化学的性質において異なっている. 外来で胃型粘液を検出する方法には子宮頸部細胞診のPapanicolaou染色で検出する方法と頸管分泌物に対するHIK1083抗体標識ラテックス凝集反応で検出する方法がある. 胃型粘液は中性ムチンを発現しており直接塗抹法 (従来法) のPapanicolaou染色では黄色調を示すが, 酸...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2019, Vol.58(1), pp.1-8
Hauptverfasser: 端, 晶彦, 大森, 真紀子, 中澤, 久美子, 近藤, 哲夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:LEGHは胃型形質を有する良性の頸管腺過形成であり, ハイリスクHPV非依存性の胃型粘液性癌, MDAの前駆病変の候補と考えられている. したがってLEGHは見落としてはならない子宮頸部腺系病変である. LEGHの腺細胞が産生する胃型粘液は正常の頸管腺粘液とは生化学的, 免疫組織化学的性質において異なっている. 外来で胃型粘液を検出する方法には子宮頸部細胞診のPapanicolaou染色で検出する方法と頸管分泌物に対するHIK1083抗体標識ラテックス凝集反応で検出する方法がある. 胃型粘液は中性ムチンを発現しており直接塗抹法 (従来法) のPapanicolaou染色では黄色調を示すが, 酸性ムチンを発現している正常の頸管腺粘液はピンク調を呈し, 色調が異なるためtwo-color patternと名付けられている. しかし液状化検体細胞診 (LBC法) では, 正常粘液と胃型粘液の色調の変化が乏しく, 胃型粘液の検出が困難となっている. 現在, 直接塗抹法 (従来法) のPapanicolaou染色が胃型粘液産生病変の検出とLEGHのフォローアップに有用と考えられるが, 胃型形質腺系病変の病態解明と早期検出技術の開発がより一層期待される.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.58.1