右自然気胸術後に胸水貯留で発症した胸膜中皮腫の 1 例

「I. はじめに」 胸膜中皮腫は胸水貯留で発症することが多いとされるが, 胸水細胞診の陽性率は50%未満といわれている. 今回, 右自然気胸術後に急速な胸水貯留で発症した胸膜中皮腫の1例を経験したので報告する. 「II. 症例」 症例は64歳, 男性. アスベスト曝露歴あり. 右自然気胸に対して胸腔鏡下肺嚢胞切除術を施行した. この際胸腔内には肺嚢胞のほかに胸膜プラークがみられたが, そのほかに異常所見はなく, 切除肺にも悪性所見は認めなかった. 術後7ヵ月頃より労作時の呼吸困難が出現し, 右胸水貯留を認めたため, 胸腔ドレナージおよび胸水細胞診が行われた. 胸水ヒアルロン酸は153000ng...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2018, Vol.57(4), pp.233-234
Hauptverfasser: 三窪, 将史, 坂口, 忍, 園田, 大, 吉田, 功, 佐藤, 之俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」 胸膜中皮腫は胸水貯留で発症することが多いとされるが, 胸水細胞診の陽性率は50%未満といわれている. 今回, 右自然気胸術後に急速な胸水貯留で発症した胸膜中皮腫の1例を経験したので報告する. 「II. 症例」 症例は64歳, 男性. アスベスト曝露歴あり. 右自然気胸に対して胸腔鏡下肺嚢胞切除術を施行した. この際胸腔内には肺嚢胞のほかに胸膜プラークがみられたが, そのほかに異常所見はなく, 切除肺にも悪性所見は認めなかった. 術後7ヵ月頃より労作時の呼吸困難が出現し, 右胸水貯留を認めたため, 胸腔ドレナージおよび胸水細胞診が行われた. 胸水ヒアルロン酸は153000ng/mlと高値であった. 胸部CTでは気胸手術時にはみられなかった右胸膜肥厚が認められ, 胸腔鏡下胸膜生検が行われた.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.57.233