サーベックスブラシコンビ®を用いた外陰細胞診が診断に有用であった外陰 Paget 病の 2 例

背景 : 外陰 Paget 病は外陰悪性腫瘍の 1~2%とまれな腫瘍である. 今回, 擦過細胞診にて外陰 Paget 病を推定しえた 2 例を経験したため報告する.症例 : 症例 1 ; 82 歳, 女性. 2 年前より外陰部掻痒感, 発赤があり, 症状が増悪したため当院へ紹介され受診した. 外陰部の擦過細胞診では, きれいな背景に孤立性に N/C 比が高くクロマチン微細な小型細胞が散見された. 核小体が複数みられ, 軽度核形不整を伴う細胞も認められた. 集塊はみられなかったが, 相互封入像が認められた.症例 2 ; 79 歳, 女性. 近医で子宮筋腫を認めたため, 当院へ紹介され受診した....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2018, Vol.57(2), pp.136-141
Hauptverfasser: 北澤, 純, 高橋, 顕雅, 西野, 万由美, 岡本, 明子, 宮元, 伸篤, 新川, 由基, 黒澤, 学
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:背景 : 外陰 Paget 病は外陰悪性腫瘍の 1~2%とまれな腫瘍である. 今回, 擦過細胞診にて外陰 Paget 病を推定しえた 2 例を経験したため報告する.症例 : 症例 1 ; 82 歳, 女性. 2 年前より外陰部掻痒感, 発赤があり, 症状が増悪したため当院へ紹介され受診した. 外陰部の擦過細胞診では, きれいな背景に孤立性に N/C 比が高くクロマチン微細な小型細胞が散見された. 核小体が複数みられ, 軽度核形不整を伴う細胞も認められた. 集塊はみられなかったが, 相互封入像が認められた.症例 2 ; 79 歳, 女性. 近医で子宮筋腫を認めたため, 当院へ紹介され受診した. 当科受診時, 外陰部に広範な発赤を伴う皮膚肥厚を認めた. 外陰部の擦過細胞診では, きれいな背景に N/C 比の高い小型細胞が孤立散在性に認められ, クロマチンは微細で核小体が目立っていた. 平面的な小集塊も 1 ヵ所あり, 細胞は N/C 比が高く, 核小体が目立ち, クロマチンは微細だった.結論 : 外陰部病変の擦過細胞診で異型のある腺系細胞が認められたら, Paget 病も鑑別に入れた精査が必要である. また, 外陰擦過細胞診にてブラシを用いることで細胞採取数が増加し, 診断精度が向上する可能性が示唆された.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.57.136