Biliary intraepithelial neoplasia の 1 例

背景 : 今回われわれは胆管内上皮内腫瘍 (biliary intraepithelial neoplasia : BilIN) の 1 例を経験したのでその細胞像を中心に報告する.症例 : 40 歳代, 男性. CT 検査にて肝内胆管拡張と肝内胆管結石を認め, PTCD による胆汁細胞診が施行された. 細胞像では好中球を主体とする炎症細胞と胆汁色素を背景に, 異型細胞は不規則な重積に乏しい平面的配列集塊として出現していた. 細胞質は泡沫状~顆粒状で, 核の配列不整・核腫大と核の切れ込みなどの核形不整を認めた. 核クロマチンは細顆粒状~顆粒状で軽度増量し, 小型核小体を認め疑陽性と診断した....

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2017, Vol.56(5), pp.232-236
Hauptverfasser: 長山, 大輔, 内藤, 嘉紀, 塚本, 孝久, 伊藤, 園江, 楳田, 明美, 木村, 芳三, 西田, 直代, 檜垣, 浩一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景 : 今回われわれは胆管内上皮内腫瘍 (biliary intraepithelial neoplasia : BilIN) の 1 例を経験したのでその細胞像を中心に報告する.症例 : 40 歳代, 男性. CT 検査にて肝内胆管拡張と肝内胆管結石を認め, PTCD による胆汁細胞診が施行された. 細胞像では好中球を主体とする炎症細胞と胆汁色素を背景に, 異型細胞は不規則な重積に乏しい平面的配列集塊として出現していた. 細胞質は泡沫状~顆粒状で, 核の配列不整・核腫大と核の切れ込みなどの核形不整を認めた. 核クロマチンは細顆粒状~顆粒状で軽度増量し, 小型核小体を認め疑陽性と診断した. 画像所見から肝内胆管狭窄が強く悪性も否定できなかったため腹腔鏡下肝左葉切除術が施行された. 組織像では異型細胞は低乳頭状に増殖し, 細胞質は好酸性が強く, 核腫大や核形不整を認めたが, 明らかな浸潤癌の所見はなく BilIN-3 と診断された.結論 : BilIN-3 の細胞診断においては, 不規則な重積に乏しい平面的配列集塊で出現するにもかかわらず, 核腫大や核形不整などの個々の細胞異型を認めることに着目することが重要である.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.56.232