高齢者における乳腺粘液癌の細胞学的検討と文献的考察
目的 : 高齢者における乳腺粘液癌の細胞学的特徴を明らかにする.方法 : 当センターで 2005 年 4 月~2011 年 12 月に実施された穿刺吸引細胞診において, 組織学的に粘液癌と診断された 65 歳以上の 13 例を対象に細胞学的, 組織学的, 免疫組織化学的に検討を行い, さらに文献的考察を加えた.成績 : 組織学的に 3 例が Type A, 10 例が Type B に分類された. Type B は非浸潤癌成分を有し, 免疫組織化学的に ER, PgR, GCDFP-15, 神経内分泌マーカーとの関連がみられた. Type A では非浸潤癌成分はみられず, 全例 ER 陽性を示...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2017, Vol.56(2), pp.75-84 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 : 高齢者における乳腺粘液癌の細胞学的特徴を明らかにする.方法 : 当センターで 2005 年 4 月~2011 年 12 月に実施された穿刺吸引細胞診において, 組織学的に粘液癌と診断された 65 歳以上の 13 例を対象に細胞学的, 組織学的, 免疫組織化学的に検討を行い, さらに文献的考察を加えた.成績 : 組織学的に 3 例が Type A, 10 例が Type B に分類された. Type B は非浸潤癌成分を有し, 免疫組織化学的に ER, PgR, GCDFP-15, 神経内分泌マーカーとの関連がみられた. Type A では非浸潤癌成分はみられず, 全例 ER 陽性を示すものの, GCDFP-15, PgR, 神経内分泌マーカーは全例陰性であった.細胞学的には, 全例で豊富な採取細胞量で多彩な出現パターンを示した. Type A, Type B とも血管成分がみられ, 核異型が強いものが多かった. Type B で腫瘍細胞が疎結合性に出現する傾向がみられ, うち 3 例で神経内分泌腫瘍に特徴的な核所見が認められた.結論 : 高齢者の粘液癌は多彩な細胞像を示した. これは, 神経内分泌分化傾向を示す Type B が多く, Type A であっても Type B に近い性質を併せもつものがあることなどによると考えられる. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.56.75 |