耳下腺内リンパ節に発見された, 皮膚病変を伴わないメルケル細胞癌の 1 例
背景 : メルケル細胞癌 (Merkel cell carcinoma, 以下 MCC) はメルケル細胞由来のまれな神経内分泌腫瘍と考えられている. 好発部位は頭頸部, 日光暴露の皮膚もしくは皮下結合組織であるがリンパ節転移で発見されることも多い. われわれは, 皮膚病変がなく, 診断に苦慮した耳下腺内リンパ節の MCC の症例を経験したので報告する. 症例 : 70 歳代, 女性. 約 15 ヵ月前に右頸部腫瘤を自覚した. 悪性リンパ腫を疑われたため, 右耳下腺リンパ節の穿刺吸引細胞診および生検が施行された. 細胞診では小型の異型細胞が孤立散在性に出現しており, 悪性リンパ腫を疑ったが, 免...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2016, Vol.55(4), pp.256-262 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景 : メルケル細胞癌 (Merkel cell carcinoma, 以下 MCC) はメルケル細胞由来のまれな神経内分泌腫瘍と考えられている. 好発部位は頭頸部, 日光暴露の皮膚もしくは皮下結合組織であるがリンパ節転移で発見されることも多い. われわれは, 皮膚病変がなく, 診断に苦慮した耳下腺内リンパ節の MCC の症例を経験したので報告する. 症例 : 70 歳代, 女性. 約 15 ヵ月前に右頸部腫瘤を自覚した. 悪性リンパ腫を疑われたため, 右耳下腺リンパ節の穿刺吸引細胞診および生検が施行された. 細胞診では小型の異型細胞が孤立散在性に出現しており, 悪性リンパ腫を疑ったが, 免疫組織化学染色をふまえた組織所見から MCC と診断した. 皮膚の原発巣は認められず, 現在まで再発は認めていない. 結論 : MCC の細胞像は, N/C 比の高い小型類円形の細胞が孤立散在性および, 一部上皮様集塊にて出現する. さらに核クロマチンが微細顆粒状~すりガラス状という独特の細胞所見は悪性リンパ腫や他の神経内分泌腫瘍との鑑別に有用である. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.55.256 |