骨盤内腹膜に発生した benign multicystic mesothelioma の 1 例

背景 : Benign multicystic mesothelioma (以下, BMM) は, 骨盤内, 腹腔内等に発生する中皮細胞由来の多房性囊胞性病変である. 現在まで 130 を超える症例が報告されているが, 細胞所見, 細胞学的特徴に関する報告は少ない. 今回われわれは骨盤内腹膜に発生した BMM を経験したので報告する. 症例 : 30 歳代前半女性. 左下腹部痛があり近医を受診後, 当院産婦人科に紹介された. 経腟超音波検査, 胸腹部 CT, 骨盤 MRI 検査にて骨盤部に限局する多房性囊胞性病変を指摘され, 腹腔鏡下生検が施行された. 囊胞内容液穿刺吸引細胞診ではシート状の中...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2016, Vol.55(1), pp.20-25
Hauptverfasser: 佐竹, 宣法, 繁木, 麻里, 山田, 順子, 工藤, 英治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景 : Benign multicystic mesothelioma (以下, BMM) は, 骨盤内, 腹腔内等に発生する中皮細胞由来の多房性囊胞性病変である. 現在まで 130 を超える症例が報告されているが, 細胞所見, 細胞学的特徴に関する報告は少ない. 今回われわれは骨盤内腹膜に発生した BMM を経験したので報告する. 症例 : 30 歳代前半女性. 左下腹部痛があり近医を受診後, 当院産婦人科に紹介された. 経腟超音波検査, 胸腹部 CT, 骨盤 MRI 検査にて骨盤部に限局する多房性囊胞性病変を指摘され, 腹腔鏡下生検が施行された. 囊胞内容液穿刺吸引細胞診ではシート状の中皮細胞集塊とともに, 球状, 乳頭状中皮細胞集塊が多数出現していた. 術中迅速捺印細胞診, 囊胞内容液穿刺吸引細胞診とも併せて, 病理組織学的に BMM と診断された. 結論 : 捺印細胞診, 囊胞内容液穿刺吸引細胞診が BMM の病理組織診断に有用であった.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.55.20