子宮頸部原発悪性黒色腫の 2 例

背景 : 子宮頸部原発悪性黒色腫は非常にまれな発生部位である. 他部位原発悪性黒色腫と同様の治療方針で, 原発巣の完全摘出が望ましいが, 術前病理診断がその後の治療に影響を及ぼした 2 例の子宮頸部原発悪性黒色腫における, 臨床経過および病理組織像について報告する. 症例 : 症例は 76 歳および 58 歳女性で, いずれも不正性器出血が主訴であった. 症例 1 では, 低分化な扁平上皮癌の診断のもと放射線治療を施行したが無効であったため, 再精査を行ったところ悪性黒色腫と診断が変わり, 手術療法により長期生存が可能であった. 一方, 症例 2 では, 細胞診・組織診上, 悪性黒色腫に特徴的...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2015, Vol.54(6), pp.389-393
Hauptverfasser: 鈴木, 美和, 田中, 綾一, 高橋, 円, 郷久, 晴朗, 寺本, 瑞絵, 岩崎, 雅宏, 伊東, 英樹, 齋藤, 豪
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景 : 子宮頸部原発悪性黒色腫は非常にまれな発生部位である. 他部位原発悪性黒色腫と同様の治療方針で, 原発巣の完全摘出が望ましいが, 術前病理診断がその後の治療に影響を及ぼした 2 例の子宮頸部原発悪性黒色腫における, 臨床経過および病理組織像について報告する. 症例 : 症例は 76 歳および 58 歳女性で, いずれも不正性器出血が主訴であった. 症例 1 では, 低分化な扁平上皮癌の診断のもと放射線治療を施行したが無効であったため, 再精査を行ったところ悪性黒色腫と診断が変わり, 手術療法により長期生存が可能であった. 一方, 症例 2 では, 細胞診・組織診上, 悪性黒色腫に特徴的なメラニン顆粒を認めたため診断可能であり, 手術・化学療法を施行したが, 進行例のため原病死となった. 結論 : 悪性黒色腫では, メラニン顆粒を有する悪性細胞の存在が特徴的であるが, メラニン顆粒に乏しい症例では免疫染色を併用した細胞診, 組織診の検討を要する. 病巣摘出を原則とし, 集学的治療により生存可能な症例もある.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.54.389