肺摘出材料の捺印細胞診にて推定しえた PEComa の 1 例

背景 : PEComa は血管周囲上皮様細胞の腫瘍性病変であり, その細胞像の報告は少ない. 特徴的細胞所見を呈し, 細胞診で推定しえた肺発生の PEComa を経験したため報告する. 症例 : 43 歳, 男性. 肝臓に認められた原発不明癌の全身検索の画像診断時に右下葉結節を指摘された. 原発性肺癌が疑われ胸腔鏡下区域切除術が施行された. 摘出材料の捺印標本では, 淡明ないし泡沫状の豊富な細胞質を有する単調な類円形細胞が細胞集塊として出現し, 紡錘形細胞の混在や核内空胞が目立った. いずれも異型は目立たず, 核分裂像は認められなかった. 以上の所見より PEComa を疑い, 細胞診標本にて...

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Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2014, Vol.53(5), pp.371-376
Hauptverfasser: 星, 利良, 元井, 紀子, 古田, 則行, 小松, 京子, 栁谷, 典子, 杉山, 裕子, 石川, 雄一, 宝来, 威
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景 : PEComa は血管周囲上皮様細胞の腫瘍性病変であり, その細胞像の報告は少ない. 特徴的細胞所見を呈し, 細胞診で推定しえた肺発生の PEComa を経験したため報告する. 症例 : 43 歳, 男性. 肝臓に認められた原発不明癌の全身検索の画像診断時に右下葉結節を指摘された. 原発性肺癌が疑われ胸腔鏡下区域切除術が施行された. 摘出材料の捺印標本では, 淡明ないし泡沫状の豊富な細胞質を有する単調な類円形細胞が細胞集塊として出現し, 紡錘形細胞の混在や核内空胞が目立った. いずれも異型は目立たず, 核分裂像は認められなかった. 以上の所見より PEComa を疑い, 細胞診標本にて免疫組織化学染色を施行. 腫瘍由来と思われる細胞は HMB-45 に陽性を示した. 摘出材料の腫瘤は境界明瞭で, 淡明で豊富な細胞質を有する細胞が充実性に増生していた. 腫瘍細胞は免疫組織化学的染色で HMB-45 に陽性を示し, PEComa と診断された. 結論 : PEComa はまれな腫瘍であるが, その特徴的所見により細胞診で推定診断は可能であると考えられた.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.53.371