特発性食道破裂 (Boerhaave 症候群) の 1 例: 胸水細胞診の所見とその臨床的意義
「I. はじめに」特発性食道破裂(Boerhaave症候群)は, 強い嘔吐後など, 急激な腹圧の上昇により突発的に起こる重篤な急性疾患であり, 迅速な診断が本疾患からの救命に重要である. 今回, 胸水穿刺細胞診を施行後, 急速な経過で死亡し, 病理解剖により特発性食道破裂と診断された症例を経験したので報告する. 「II. 症例」61歳, 男性. 大酒家. 飲酒後, 背部痛を訴え緊急入院. 胸部CTで左膿胸, 左気胸と診断され, 左胸腔穿刺により暗赤褐色の液体(pH 6.8, WBC 42,150/μl)が排出された. アルコール性肝障害に起因する食道静脈瘤の破裂や, その他食道や大血管の破裂,...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2013, Vol.52(3), pp.269-270 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」特発性食道破裂(Boerhaave症候群)は, 強い嘔吐後など, 急激な腹圧の上昇により突発的に起こる重篤な急性疾患であり, 迅速な診断が本疾患からの救命に重要である. 今回, 胸水穿刺細胞診を施行後, 急速な経過で死亡し, 病理解剖により特発性食道破裂と診断された症例を経験したので報告する. 「II. 症例」61歳, 男性. 大酒家. 飲酒後, 背部痛を訴え緊急入院. 胸部CTで左膿胸, 左気胸と診断され, 左胸腔穿刺により暗赤褐色の液体(pH 6.8, WBC 42,150/μl)が排出された. アルコール性肝障害に起因する食道静脈瘤の破裂や, その他食道や大血管の破裂, 心筋梗塞などが原因と考えられたが, 確定にはいたらなかった. その後, 血圧低下, 代謝性アシドーシスがみられ, 敗血症性ショックが疑われた. 薬物投与にもかかわらず血圧上昇せず, 多臓器不全に陥り, 発症から約1日半で死亡となった. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.52.269 |