卵巣腫瘍捺印細胞診の術中迅速診断への応用に向けての検討

目的 : 術前に卵巣悪性腫瘍を疑った症例において, 腫瘍割面の捺印細胞診が術中での術式決定に応用可能かどうかを後方視的に検討した. 方法 : 対象は卵巣悪性腫瘍を疑い当科で初回手術を施行した 49 例で, 腫瘍割面の壊死のない充実部分を数ヵ所選び捺印細胞診を採取しパパニコロウ染色を行った. 後日, 当院細胞検査士 3 名と産婦人科細胞診専門医 1 名の計 4 名でこれらの標本を後方視的に鏡検し判定した. 成績 : 49 例のうち悪性症例は転移性卵巣腫瘍, 卵巣以外の悪性腫瘍を含め 36 例 (73.5%) で, 境界悪性腫瘍が 7 例 (14.3%), 良性腫瘍が 6 例 (12.2%) だっ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床細胞学会雑誌 2013, Vol.52(3), pp.206-211
Hauptverfasser: 勘野(石本), 真紀, 野村, 英司, 杉山, 範子, 堀井, 恒哉, 石川, 麻美, 府中, 基伸, 小山内, 翔祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的 : 術前に卵巣悪性腫瘍を疑った症例において, 腫瘍割面の捺印細胞診が術中での術式決定に応用可能かどうかを後方視的に検討した. 方法 : 対象は卵巣悪性腫瘍を疑い当科で初回手術を施行した 49 例で, 腫瘍割面の壊死のない充実部分を数ヵ所選び捺印細胞診を採取しパパニコロウ染色を行った. 後日, 当院細胞検査士 3 名と産婦人科細胞診専門医 1 名の計 4 名でこれらの標本を後方視的に鏡検し判定した. 成績 : 49 例のうち悪性症例は転移性卵巣腫瘍, 卵巣以外の悪性腫瘍を含め 36 例 (73.5%) で, 境界悪性腫瘍が 7 例 (14.3%), 良性腫瘍が 6 例 (12.2%) だった. 境界悪性腫瘍と悪性腫瘍 41 例中の FIGO 進行期の内訳は, I期 18 例, II期 5 例, III期 13 例, IV期 5 例であり, そのうち腹水細胞診陽性は 19 例 (46.3%) であった. 捺印細胞診による悪性腫瘍 36 例の正診率は 100%, 良性と境界悪性腫瘍の正診率はそれぞれ 66.7%, 71.4%であった. 全症例における組織型の一致率は 65.3%であった. 結論 : 捺印細胞診は, 腫瘍の良悪性の鑑別に有用であった. 臨床所見や腫瘍性状から総合判断することでより診断が確実になると考えられ, 今後術中の術式決定に応用可能であると思われた.
ISSN:0387-1193
1882-7233
DOI:10.5795/jjscc.52.206