シュードセクション法を用いた九州中部肥後変成帯に産する高度変成岩の解析

「要旨」本研究では, 熱力学的解析の「シュードセクション法」を用いて, 高度変成岩の解析を行い, 九州中部肥後変成帯の変成分帯, 変成温度圧力見積もりの推定値との比較, および部分溶融度の推定比較を実施した. その結果, D帯を特徴づけるザクロ石(Grt)+菫青石(Crd)の鉱物共生は, 700-850℃, 4-7kbarの範囲に出現し, E帯を特徴づける斜方輝石(Opx)の出現および珪線石(Sil), 菫青石(Crd)の消失領域は, D帯の温度圧力領域より高温高圧側に分布し, >850℃, >5kbarの範囲に出現することが明らかとなった. また, シュードセクション法の解析と,...

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Veröffentlicht in:名古屋学院大学論集 医学・健康科学・スポーツ科学篇 2022-03, Vol.10 (1), p.33-43
1. Verfasser: 小林記之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本研究では, 熱力学的解析の「シュードセクション法」を用いて, 高度変成岩の解析を行い, 九州中部肥後変成帯の変成分帯, 変成温度圧力見積もりの推定値との比較, および部分溶融度の推定比較を実施した. その結果, D帯を特徴づけるザクロ石(Grt)+菫青石(Crd)の鉱物共生は, 700-850℃, 4-7kbarの範囲に出現し, E帯を特徴づける斜方輝石(Opx)の出現および珪線石(Sil), 菫青石(Crd)の消失領域は, D帯の温度圧力領域より高温高圧側に分布し, >850℃, >5kbarの範囲に出現することが明らかとなった. また, シュードセクション法の解析と, D帯の従来の変成温度圧力見積もりは調和的である. 一方で, E帯では, 従来の地質学的温度圧力計を用いた変成温度圧力見積もりと概ね調和的であるが, 若干, 高温高圧条件が推定された. さらに, シュードセクション法の解析から, E帯でのメルトのvol%は>30vol%に達することが推定された.
ISSN:2187-5162