デュピルマブが著効した小児重症喘息の1例

症例は14歳男児.2歳時に気管支喘息と診断され,長期管理が開始されたが,コントロールレベルは不良であった.12歳までに急性増悪による入院を30回程度繰り返していた.中学生になるとさらに急性増悪の頻度が増し,中用量の吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤による管理にもかかわらず毎日喘鳴を認め,体育や部活動(陸上部)など,学校生活にも影響を与えていた.その後,当科にて精査を行い気管支喘息の診断を確定し,重症喘息と評価してデュピルマブ投与を開始した.2か月後には日常生活における喘鳴は消失し,学校生活も問題なく送れるようになった.投与開始3か月後に実施した運動負荷試験は著明な改善を認め,運動負...

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Veröffentlicht in:日本小児アレルギー学会誌 2023/08/20, Vol.37(3), pp.197-201
Hauptverfasser: 橋本, 大, 勝沼, 俊雄, 成瀬, 隼人, 中川, 愛, 鈴木, 亮平, 相良, 長俊, 赤司, 賢一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は14歳男児.2歳時に気管支喘息と診断され,長期管理が開始されたが,コントロールレベルは不良であった.12歳までに急性増悪による入院を30回程度繰り返していた.中学生になるとさらに急性増悪の頻度が増し,中用量の吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤による管理にもかかわらず毎日喘鳴を認め,体育や部活動(陸上部)など,学校生活にも影響を与えていた.その後,当科にて精査を行い気管支喘息の診断を確定し,重症喘息と評価してデュピルマブ投与を開始した.2か月後には日常生活における喘鳴は消失し,学校生活も問題なく送れるようになった.投与開始3か月後に実施した運動負荷試験は著明な改善を認め,運動負荷による1秒量最大低下率は78%から29%まで改善した.しかし投与開始1年3か月後の再評価ではそれ以上の改善が認められなかった.小児重症喘息に対するデュピルマブの呼吸機能,気道過敏性を含めた長期効果に関するさらなる知見の集積が期待される.
ISSN:0914-2649
1882-2738
DOI:10.3388/jspaci.37.197