急速経口免疫療法を受けた患児,保護者に対する食生活の不安と治療負担に関する3年間の質問紙調査

【背景】食物アレルギーに対する経口免疫療法が,患児及び保護者の食生活にもたらす不安・負担の軽減,及び治療自体の負担を評価した報告は乏しい.【方法】あいち小児保健医療総合センターアレルギー科で急速経口免疫療法を受けた45名(鶏卵21名,牛乳10名,小麦14名)の患児及び保護者に対し,治療開始時,1年後,2年後,3年後に質問紙調査を行った.【結果】治療開始時,9割の保護者は外食制限の負担やアナフィラキシーによる命の不安を感じ,9割の患児は食べたいものを我慢することへの負担を感じていた.これらの不安・負担は治療開始後徐々に改善した.しかし,アレルゲン摂取後の運動制限や他の食物アレルギーの存在は不安・...

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Veröffentlicht in:日本小児アレルギー学会誌 2022/03/20, Vol.36(1), pp.101-113
Hauptverfasser: 中里, 友美, 杉浦, 至郎, 楳村, 春江, 佐々木, 渓円, 古田, 朋子, 伊藤, 浩明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【背景】食物アレルギーに対する経口免疫療法が,患児及び保護者の食生活にもたらす不安・負担の軽減,及び治療自体の負担を評価した報告は乏しい.【方法】あいち小児保健医療総合センターアレルギー科で急速経口免疫療法を受けた45名(鶏卵21名,牛乳10名,小麦14名)の患児及び保護者に対し,治療開始時,1年後,2年後,3年後に質問紙調査を行った.【結果】治療開始時,9割の保護者は外食制限の負担やアナフィラキシーによる命の不安を感じ,9割の患児は食べたいものを我慢することへの負担を感じていた.これらの不安・負担は治療開始後徐々に改善した.しかし,アレルゲン摂取後の運動制限や他の食物アレルギーの存在は不安・負担が改善し難いことと一部関連していた.保護者の治療負担感は開始時に大きく,治療開始後徐々に改善したが,患児では明らかな変化を認めなかった.【結語】経口免疫療法導入時には,その効果と同時に長く続く負担についても十分説明し,保護者の決意に加え患児本人の自発的な意志決定が重要である.
ISSN:0914-2649
1882-2738
DOI:10.3388/jspaci.36.101