食物アレルギー児をとりまく環境を改善するための誤食についてのアンケート調査

【目的】食物アレルギー児が安全に生活するための患者教育・環境整備に役立てるため,奈良県内における食物アレルギー児の誤食状況の実態を把握する.【方法】2019年11月から2020年10月までの1年間に奈良県内8施設に通院中の食物アレルギー児のうち誤食があった児の保護者にアンケート調査を行った.【結果】年間80件の誤食があり,発生場所は自宅が51件と最も多く,次いで外食,給食であった.発生原因として自宅では原材料の確認不足や目を離したことによるものが多く,外食では原材料の確認不足,給食では誤配膳が原因の大半を占めた.【考察】家庭での原材料の確認不足を原因とする誤食が多く,最も重要な対応策は丁寧な患...

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Veröffentlicht in:日本小児アレルギー学会誌 2022/03/20, Vol.36(1), pp.93-100
Hauptverfasser: 池田, 聡子, 川口, 千晴, 清益, 功浩, 河原, 信吾, 中農, 昌子, 大塚, 敬太, 田尻, 雄二朗, 大仲, 雅之, 南部, 光彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】食物アレルギー児が安全に生活するための患者教育・環境整備に役立てるため,奈良県内における食物アレルギー児の誤食状況の実態を把握する.【方法】2019年11月から2020年10月までの1年間に奈良県内8施設に通院中の食物アレルギー児のうち誤食があった児の保護者にアンケート調査を行った.【結果】年間80件の誤食があり,発生場所は自宅が51件と最も多く,次いで外食,給食であった.発生原因として自宅では原材料の確認不足や目を離したことによるものが多く,外食では原材料の確認不足,給食では誤配膳が原因の大半を占めた.【考察】家庭での原材料の確認不足を原因とする誤食が多く,最も重要な対応策は丁寧な患者教育であると考えられた.特に外見から判断するのではなく,自分で調理していないものや初めて食べるものは毎回丁寧に原因抗原の含有の有無を確認することの重要性を伝えていくことが必要と考える.食物アレルギー児が安全に生活するためには,患児をとりまく周囲の関係者も危機意識の共有が必要である.
ISSN:0914-2649
1882-2738
DOI:10.3388/jspaci.36.93