CQ7 小児喘息患者の長期管理において,ダニアレルゲン特異的免疫療法は有用か

小児気管支喘息患者に対してダニアレルゲン特異的免疫療法(皮下免疫療法,舌下免疫療法)とプラセボを比較した試験は16編あり,その中で皮下免疫療法では喘息症状,頓用薬の使用,全身性ステロイド投与,長期管理薬の使用量,呼吸機能において,舌下免疫療法では喘息症状,呼吸機能においてダニアレルゲン特異的免疫療法が効果的であることが示された.しかしエビデンスレベルが総じて低く,日本人小児を対象とした試験がなかった.また本邦では皮下免疫療法は喘息への保険適応があるものの,舌下免疫療法は現時点でアレルギー性鼻炎のみが適応となっており,その実施には喘息が十分にコントロールされていることが注意点として挙げられている...

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Veröffentlicht in:日本小児アレルギー学会誌 2020/08/05, Vol.34(3), pp.428-433
Hauptverfasser: 田中, 裕也, 佐藤, 幸一郎, 鈴木, 修一, 中島, 陽一, 錦戸, 知喜, 平口, 雪子, 三浦, 太郎, 村井, 宏生, 足立, 雄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児気管支喘息患者に対してダニアレルゲン特異的免疫療法(皮下免疫療法,舌下免疫療法)とプラセボを比較した試験は16編あり,その中で皮下免疫療法では喘息症状,頓用薬の使用,全身性ステロイド投与,長期管理薬の使用量,呼吸機能において,舌下免疫療法では喘息症状,呼吸機能においてダニアレルゲン特異的免疫療法が効果的であることが示された.しかしエビデンスレベルが総じて低く,日本人小児を対象とした試験がなかった.また本邦では皮下免疫療法は喘息への保険適応があるものの,舌下免疫療法は現時点でアレルギー性鼻炎のみが適応となっており,その実施には喘息が十分にコントロールされていることが注意点として挙げられている.アレルゲン特異的免疫療法には副反応も少なからず報告されており,治療効果と副反応のバランスを考慮していく必要がある.ダニアレルゲン特異的免疫療法には小児喘息に対する治療効果が期待でき,十分な注意を払ったうえでダニに感作された小児喘息に対する長期管理における標準治療の一つとすることを提案する.
ISSN:0914-2649
1882-2738
DOI:10.3388/jspaci.34.428