末梢血好酸球数, 血清TARCおよびIL-5が異常高値を呈した薬剤性過敏症症候群の1例
薬剤性過敏症症候群は, 薬剤内服を契機に発症する重症薬疹の1つであり, 抗てんかん薬・抗菌薬などが原因である. 診断基準の1つに, 末梢血好酸球の増多 (1,500/μL以上) がある. 症例は, 従来健康でアレルギー歴のない15歳男児. 15歳になって初めて無熱性痙攣を2回起こし, カルバマゼピンの内服を開始していた. 開始3週間後に発熱・紅斑が出現し, 肝機能障害や白血球 (36,440/μL), 好酸球の著明な増多 (21,499/μL) を認めた. カルバマゼピンの中止とともに, ステロイドによる治療を開始し, 症状は軽快, 好酸球の低下を認めた. カルバマゼピンの薬剤誘発性リンパ球刺...
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Veröffentlicht in: | 日本小児アレルギー学会誌 2019, Vol.33(3), pp.288-294 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬剤性過敏症症候群は, 薬剤内服を契機に発症する重症薬疹の1つであり, 抗てんかん薬・抗菌薬などが原因である. 診断基準の1つに, 末梢血好酸球の増多 (1,500/μL以上) がある. 症例は, 従来健康でアレルギー歴のない15歳男児. 15歳になって初めて無熱性痙攣を2回起こし, カルバマゼピンの内服を開始していた. 開始3週間後に発熱・紅斑が出現し, 肝機能障害や白血球 (36,440/μL), 好酸球の著明な増多 (21,499/μL) を認めた. カルバマゼピンの中止とともに, ステロイドによる治療を開始し, 症状は軽快, 好酸球の低下を認めた. カルバマゼピンの薬剤誘発性リンパ球刺激試験が陽性であり, HHV-6の再活性化も確認され, 薬剤性過敏症症候群の基準を満たした. 好酸球増多が著明であったために精査した結果, 血清TARCおよびIL-5の異常高値およびaberrant T cell陽性を認めたことから, 薬剤性過敏症症候群の病態とリンパ球性好酸球増多症の病態が重なる部分がある可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0914-2649 1882-2738 |
DOI: | 10.3388/jspaci.33.288 |